崖っぷちの阪神・矢野監督「もう1本出なかった」第3戦へ「思い切り挑戦するだけ」

 連敗し、引き揚げる矢野監督(撮影・田中太一)
 9回、糸原が凡退に倒れゲームセット。ベンチからグラウンドを見つめる佐藤輝(中央)、近本(左から2人目)ら阪神ナイン(撮影・田中太一)
 足早にグラウンドを後にする矢野監督(撮影・飯室逸平)
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 「セCSファイナルS・第2戦、ヤクルト5-3阪神」(13日、神宮球場)

 矢野阪神が2連敗でCS敗退の崖っぷちに追い込まれた。立ち上がりが不安定だった先発のサイスニードを攻略できず、ヤクルトを上回る11安打を放ちながら勝利が遠かった。矢野監督は「まぁ1本出なかった。もう1本っていうのが前半の攻撃も含めて、ちょっと流れが変わったかなぁというのはあるけどね」と決定打を欠いた攻撃を悔いた。

 第1戦で4打数無安打3三振に終わった佐藤輝をスタメンから外し、マルテを「5番・三塁」で起用。そのマルテは2打席連続の犠飛で打点を挙げた。打線変更の狙いについては「まぁまぁ点をどう取るかとかいろいろ考えた中の…はい作戦です」とし、佐藤輝を下げたのは調子などを考慮してかと問われると、「はい」と答えた。

 先発の藤浪が村上に許した逆転2ランは「結果的にもちろんいいバッターやし、うまく打たれているのはあるけど」と責めず、3回2失点での降板は「あそこで代えるのは仕方ないかな、というところで代えましたけど」と振り返った。

 第3戦に負けるか引き分ければ、敗退が決まる。日本シリーズに進むにはここから4連勝するしかない。過去にセ・パ両リーグのCSファイナルSでシーズン1位以外の球団が初戦から連敗して突破した例はなく、阪神は「CS突破率0%」の奇跡に挑むことになる。

 「本当に言霊で、何ができるかっていうのを俺も楽しみにしているし、今までやってきたものは明日出したい。もちろん負ければ終わりなので。みんなそういう思いでやってくれると思うので。それがどういう結果、内容になるのかは俺も楽しみにしてるので。もう思い切り、挑戦するだけですね」

 矢野監督は前を向いた。これまでと同じように、選手を信じて最後まで戦い抜く。

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