阪神・ロハス「必死だった」代役奮闘 前日抹消も大山コロナで再昇格即ダ~ン
「広島2-3阪神」(5日、マツダスタジアム)
快音が鳴り響く。阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(32)はどうだ!と言わんばかりの表情で打球の行方を見つめた。本来であれば鳴尾浜にいたはずの助っ人が、鬼門の敵地でドデカい一発。大山の穴を見事に埋めてみせた。
悩めるスイッチヒッターが勝利を呼び込んだ。1点リードの四回2死一塁。「とにかく、ここにいられないチームメートの穴を埋めたいと必死だった」。ワンスイングに執念を込める。大瀬良のカットボールを完璧に捉え、右中間席へ運ぶ5号2ランだ。
ヒーローインタビューでは「(一走の)ロドリゲス選手が足遅いので、ホームランになってよかったです」と仲良しの同僚をいじりつつ、「監督にまた、自分を試合に出してもらったので」と感謝。この日のスタメンはアクシデントによって巡ってきたものだった。
大山と北條が新型コロナウイルス陽性判定を受け「特例2022」で抹消。ロハスは打撃不振と外国人枠の問題で4日に2軍降格していたが、代替選手としてわずか1日で1軍に戻ることになった。「自分自身にもチャンスだと言い聞かせながら打席に立ったよ」と急きょの1軍復帰も見事に結果を残してみせた。
今季は代打起用が多く、打率も低空飛行。苦しいシーズンとなっているが「次の日は良くなる」と信じて気持ちを切らすことはない。その思考は母国ドミニカ共和国の英雄であるロビンソン・カノと、パイレーツ時代のチームメートであるスターリング・マルテから学んだ。「アウトになっても気持ちを変えることが大事。昨日は捨てて新しい日を迎える」と信念を貫く。
矢野監督は「すぐ戻って打ってくれたというのは助かった」と働きぶりを称賛。常に前向きなロハスが、自慢の長打力でチームを救っていく。