敗戦はベンチの責任 阪神OBの中田良弘氏が指摘「常識にとらわれたが故の敗戦」

 延長11回、村上(左手前)の勝ち越しとなる2ランを、ベンチから見つめる矢野監督(右から3人目)=撮影・北村雅宏
 11回、村上に勝ち越し2ランを打たれ、ベンチの矢野監督は厳しい表情を見せる(撮影・山口登)
 11回、石井は村上に勝ち越し2ランを許す(撮影・山口登)
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 「阪神2-4ヤクルト」(31日、甲子園球場)

 阪神OBでデイリースポーツ評論家の中田良弘氏(63)が31日、甲子園球場で行われた阪神-ヤクルト戦を解説。ヤクルト3連戦3連勝を逃した原因をベンチの責任だと指摘した。

 ◇ ◇ ◇

 敗戦を招いた責任はベンチにある。同点の延長十一回2死一塁。打席に2打席連続本塁打中の村上を迎えた初球から、石井-梅野のバッテリーは投げる球に思案していた。真っすぐを選択できないから、初球は外へのフォークで1ボール。梅野はベンチをしきりに見ていた。2球目は内角低めへのスライダーで2ボール。形上は勝負をしにいっているのだが、その実は完全に探り、探りの投球で、明らかに立ち合い負けしていた。

 ヤクルトは1死一塁から奥村に犠打をさせなかった。送れば村上が歩かされることが分かっているからだ。そして中飛。犠打で一走が二塁に進んでいれば当然、阪神ベンチは申告敬遠していただろうが、一塁が空かなかったことで、勝負する形になった。

 ただ、相手は2打席連続本塁打を放っている村上。しかも、次打者はサンタナではなく、代走から途中出場していた渡辺だった。何を一番警戒しなければならないかと言えば、村上に打たれることだったはず。冷静に天びんにかけられなかったのだろうか。

 2死一塁であろうとも、2ボールになって投げる球がなくなった時点で、走者を得点圏に進めることになるとしても、申告敬遠を選択するべきだった。奥村が犠打で走者を得点圏に進めた場合と同じ状況と割り切ることが必要だったのではないか。直球を投げられない場面で中途半端に勝負した結果、最悪の結果につながった。常識にとらわれたが故の敗戦と言わざるを得ない。

 3連戦3連勝で戦前の11ゲーム差から、8ゲーム差になる寸前からの逆転負けで10ゲーム差に戻った。逆転優勝を狙う上では、痛すぎる敗戦。ただ、ここで大事なのは連敗しないこと。負けた事実は変えられない。決して引きずることなく、8月2日からの巨人戦に向かってもらいたい。

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