【中田良弘氏の眼】「阪神・ケラーはストッパーも任せられる状態」一考の余地あり

 「DeNA6-5阪神」(30日、横浜スタジアム)

 デイリースポーツ評論家・中田良弘氏が30日、横浜スタジアムで行われたDeNA-阪神戦で本紙の解説を務めた。守護神の岩崎が打たれサヨナラ負けを喫したゲームだが、中田氏は五回に登板したケラーの状態に着目。岩崎の投球内容と比較した上で「ストッパーを任せられる状態」と分析した。

  ◇    ◇  

 五回から登板し、DeNAのクリーンアップを三者凡退に仕留めたケラーのボールに目を見張った。特に牧を見逃し三振に仕留めた外角156キロのストレートには勢いがあった。直球でああいう見逃し三振をしないバッターだけに、救援失敗を重ねた春先とは見違えるような状態だと言っていい。

 要因はコンディションが整ったことで、直球の威力とキレが増したと考えられる。コロナで来日が遅れた影響により、開幕直後はそこまでストレートに球威がなかった。調整不足が否めないような印象だったが、今の状態であれば宮崎を空振り三振に仕留めた縦割れのカーブも生きるし、フォークもある。三つ、三振を奪える球種があるということだ。

 そしてケラーがここまで状態を上げてきたことも評価されるべきだろう。開幕直後にああいう失敗をした中、ファームで懸命に調整して日本の野球に適応しようとやってきた。一昔前の“助っ人”という考え方であれば、2軍に落とされた時点で終わっていたかもしれない。本人が何とかチャンスをつかもうという姿勢が、結果に結びついていると思う。

 そして今の状態であればストッパーも任せられると思う。現守護神の岩崎も安定した成績を残してきたが、ポイントはどちらが空振りを奪える確率が高いか-。現状を考えるとケラーの方が適任と言える。

 抑えの絶対条件はまず、バットに当てさせないこと、そして三振を奪えることだ。僅差の最終回は不運なヒットを重ねられてもダメなポジション。サヨナラ負けを喫してしまっただけに、一考の余地はあるのではないかと思う。

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