阪神・ウィルカーソン、朗希に投げ勝った 来日最長8回0封4勝目

 4回、汗を飛ばしながら力投するウィルカーソン(撮影・田中太一)
 勝ち星を挙げたウィルカーソンはファンの声援に帽子をとって応える
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 「ロッテ0-1阪神」(27日、ZOZOマリンスタジアム)

 160キロの直球もなければ、高速フォークで次々と三振を奪うわけでもない。それでも、相手を制圧できる。阪神・ウィルカーソンが持ち味を存分に発揮し、「令和の怪物」との白熱した投手戦を制した。

 「本当に楽しかったですね。自分の強みを生かしたピッチングができたのが本当に良かったですし、彼(佐々木朗)ともっと長く投げられたらなというところはありました」

 2戦連続で中5日の登板となったが、起用に応えた。140キロ台後半の直球を軸に多彩な変化球をちりばめ、四回までロッテ打線に三塁を踏ませず。佐々木朗とは対照的な、打たせて取る投球でアウトを重ねた。

 バックにも助けられて粘った。五回は四球と安打などで1死一、三塁。それでも、松川をチェンジアップで遊ゴロ併殺に仕留め、得点を許さなかった。佐々木朗が六回で降板となった中、ウィルカーソンは七回と八回を3人で料理。108球を投じ、来日最長8回を5安打無失点の好投で4勝目を挙げた。

 「自分がどこまで行けるのか試す良い機会でもあった。最後はしっかりボールを制球して、後ろがしっかり守ってくれた。自分だけじゃなくてチームの勝利だと思います」。矢野監督も「八回まで行ってくれたから助かった」と感謝した。

 この1勝も思い出の1ページに刻まれるだろう。ウィルカーソンの記事が掲載された新聞は、妻・ハンナさんが集めてスクラップしてくれている。「合計何枚くらいあるかは分からないんですけど、日本語の記事が家にありますね」。白星を重ね、これからも記念の紙面を増やしていく。

 「2つのタイプの投手が違った形で成功することができる。大事なのは自分がどのようなプレーヤーなのかを考えること」。連敗を止めた頼れる右腕が、ベースボールの真骨頂を体現した。

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