阪神・伊藤将 少年時代の恩師が今季初勝利を祝福「大好きな野球で一流投手を目指して」
「阪神4-0巨人」(22日、甲子園球場)
阪神・伊藤将司投手(26)にエールが届いた。送り主は少年野球時代は監督、中学時代はコーチとして左腕を9年間指導した宮薗博香さん(66)。現在も地元で子どもたちの野球指導にあたる宮薗さんは、「野球小僧」からプロで2桁勝利を挙げるまでに成長した教え子の今季初勝利を喜び、メッセージを送った。
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出会いは将司が小学校1年生の時です。最初の印象は『野球小僧』ですね。子どもというと、一般的にテレビゲームとかが好きですよね。彼の場合は、それよりも野球が好きで、遊びも野球。私の家にティーバッティングができる場所が作ってあるんですが、「打ちたい」と元日に来たこともありました。
体格は他の子どもたちとあまり変わりませんでしたが、野球センスが抜けていて、肩も強いし、バッティングもいい。少年野球の時はショートなんかもやらしていました。同じ小学生だったら、右利きの子がやっているより上手でしたから。
かなり叱咤(しった)激励もしましたが、そんな将司が今は、子どもたちに夢を与えてくれています。ドラフトに指名されて、正月に帰ってきた時には、私が指導している子どもたちと将司のセレモニーをやって、春のキャンプに送り出しました。子どもたち全員に名前入りのサインを作ってくれて、一緒に来ていたご家族とも写真を撮って。みんな喜んでいました。
このオフに帰ってきた時も、すぐに私のところに来てくれました。将司が成人式の日に「やっと成人を迎えることができました」と報告に来てくれたことをよく覚えているんですが、そういう律義なところもあるんですよ。
去年の活躍、すごいですよね。素晴らしいと思います。プロの世界で1年間ローテーションを守って10勝するっていうのは並大抵のことではないですよね。試合は全部テレビで映るようにしているので、将司が投げた時はLINEで連絡を取っていました。3連敗した時なんかは落ち込んでいましたけども(笑)。それは相手はみんなプロなんだし研究もしてくるし、開き直ってやることも必要だよと話はしましたね。
コロナ感染で今季初勝利は遅くなりましたが、2年目のシーズンも、まずはケガをしないで、みなさんの期待に応えられるように頑張ってもらいたいと思います。相手も新たな面で研究してくるわけだから、そこでいいピッチングをすれば信頼関係も出てくるし。それを継続できれば一流投手の仲間入りができる。せっかくチャンスがあるんだから、そこを目指して。好きな野球であれば、それが将司、あなたの人生じゃないの。