【岡田彰布氏の眼】阪神 この状況での4番変更はどうか 悪循環の危険性

 「巨人2-0阪神」(20日、東京ドーム)

 苦しい時こそ我慢も必要よ-。東京ドームで行われた巨人3連戦で、歴史的な3試合連続完封負けを目の当たりにした阪神元監督・岡田彰布氏(62)=デイリースポーツ評論家=は、4番打者の入れ替えについて持論を展開した。好機であと一本が出ないなど、打線の流れを変える際に必要となる戦略であり、全体が低調な中では効果は得られないと指摘。6番降格となった大山一人に、責任を負わせてはいけないと語った。

  ◇  ◇

 3試合連続完封負けを喫してしまったが、この3連戦は1戦目が3安打、2戦目は4安打、そして3戦目も4安打と打線全体が打てなかった。巨人投手陣に力負けした形だ。そんな中でこの日は4番にサンズを入れ、大山を6番に下げるなど打線を組み替えたが、この状況下ではあまり効果は得られないように感じた。

 特に4番の入れ替えは、10安打を打ってもあと一本が出ない時や、ことごとくチャンスを逃している時に、流れを変えるための戦略。大山の代わりに入ったサンズも今カード初戦から徹底的に内角を攻められ、打席の中でやや迷いが生じているようなシーンが見受けられた。

 今後、中軸に置くことでさらにインサイドを攻められることが予想される。一方でこの日の大山は2安打。こうなると再び4番へ戻すタイミングが非常に難しくなってしまう。打線の軸をコロコロ入れ替えると、チームの形や戦い方がはっきりせず、悪循環に陥ってしまう危険性も否定できない。

 個人ではなく、打線全体が打てていなかっただけに、4番の組み替えに関しては首脳陣ももう少し慎重になってもよかったのではないだろうか。これでは3試合連続完封負けの責任を、大山一人に背負わせてしまった形になってしまう。

 この3連戦に関しては初戦の菅野をはじめとして、巨人投手陣の良さが際立った。一方で高橋、青柳と、阪神の先発陣もいい投球をしていた。その中で防げていたはずの失点もあったはず。3安打、4安打、4安打ではベンチも正直、作戦のとりようがない。こういう時こそムダな失点をなくし、何とか流れを呼び込めるように、チーム全体が我慢しなければならない。

 次カードのヤクルト3連戦では、前回登板でノーヒットノーランを達成した小川の先発も予想されている。厳しい戦いを制すと同時に、個人、個人の状態を上げていくために何が必要かを考えてほしい。

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