乗れない矢野阪神 3連勝目前で逆転サヨナラ負け 19日にも自力V消滅の危機

 「ヤクルト2-1阪神」(17日、神宮球場)

 “なべじい”が渾身(こんしん)のガッツポーズを繰り出し、湯浅が息詰まる13球の勝負を制し、バトンは守護神・岩崎へ。だが、阪神は3連勝目前から悪夢のサヨナラ負け。同点に追い付かれた九回1死二、三塁から、不振のオスナ勝負は正解だったのか。満塁策は…。19試合連続3失点以内の投手陣は責められない。打線はソロ一発の1得点。乗り切れない今季を映し出す敗戦となった。

 肩を落としながら、阪神ナインがベンチに引き揚げてくる。原口を中心に、必死に励ます姿が何とも切ない。西勇、渡辺、アルカンタラ、湯浅と無失点でつないできたリレー。守護神・岩崎が1点のリードを守り切ることができずに、今季5度目となるサヨナラ負けを喫した。

 悲劇の逆転負けは、九回先頭の山田にストレートの四球を与えたところから始まった。1死から中村の中前打で一、三塁にピンチを広げると、続く青木には適時二塁打で同点にされる。なおも1死二、三塁でオスナに右犠飛を打ち上げられ、痛恨の敗戦となった。

 「この球場ではホームランもあるしさ。3番からなんで、そこをケアしながらってなれば、丁寧にいくっていう中で、そういうふう(先頭四球)になってしまうことは優(岩崎)でもあるし…結果は受け止めています」

 矢野監督がかばったように、確かに岩崎を責めることはできない。左腕の失点は7点差をひっくり返された、あの3月25日・ヤクルトとの開幕戦以来、13試合ぶりだ。

 惜しむらくは最後の場面。次打者は投手の大西だった。もちろんヤクルトベンチは代打を送ってくるだろう。だが、同じ1点もやれない場面なら、守りやすさの面を考えても、不振とはいえオスナを歩かせて、満塁にする選択肢もあったのではないか。

 「やっぱりもうちょっとね。今日は輝(佐藤輝)のところで(好機が)回ってきたけど、そこで一本出ればという場面があったので。1点より2点、2点より3点というのが今のチームの課題ではあるんで…そこかな」

 指揮官は四、六回と2度の得点機で凡退した佐藤輝の名を挙げながら、糸原の本塁打以降、追加点を取れなかった打線に敗因を求めた。

 これで首位・ヤクルトとの差は再び10・5ゲームに。最短で19日にも自力Vが消滅する。阪神投手陣は実に19試合連続で3失点以内に抑える奮闘ぶりだ。先週末のDeNA戦では今季初めて2試合連続2桁安打をマークしたものの、大きな波に乗るためには、打線の一層の奮起が求められる。

 ◆19戦連続3失点以内 阪神は今季、4月22日・ヤクルト戦○6-0からこの日のヤクルト戦1-2まで19試合連続3失点以下と、ディフェンス面では奮闘。球団では56年6月24日・広島戦~同年7月17日・広島戦の16試合の最長を更新した。

 ◆19日にも自力V消滅 18、19日もヤクルトに連敗すれば3勝9敗となり、今季残り99試合に全勝しても113勝29敗1分けで勝率.796。ヤクルトは阪神戦残り13試合に全敗しても、そのほかの89試合に全勝すれば114勝28敗1分けで勝率.803。

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