阪神重症 糸井、マルテのベストオーダーでも逆転負け 積極采配実らず広島に開幕7連敗

 7回、空振り三振に倒れたマルテはバットをへし折る(撮影・神子素慎一)
 7回 満塁の好機で空振り三振に倒れる佐藤輝
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 「阪神2-3広島」(11日、甲子園球場)

 阪神は逸機を繰り返し、痛恨の逆転負けを喫した。初回に2点を奪って逆転した後は本塁が遠い。七回1死満塁、八回1死二、三塁の絶好機も、ともに目を覆うばかりの拙攻で得点できなかった。今季の広島戦は1分けを挟んで7連敗。3カード連続の負け越しも決まった。最下位に沈む矢野虎に浮上の兆しは見えてこない。

 甲子園に悲鳴とため息が充満した。試合終盤、絶好機を2度もつぶしては勝てるはずがない。虎党にはフラストレーションがたまる悪夢のような敗戦だ。

 2-3の七回、疲れの見え始めた先発・九里を四球と連打で1死満塁まで追い詰めた。球場のボルテージは最高潮に達したが、マルテはボール球を振り、痛恨の空振り三振。助っ人は怒りの表情で横に寝かせたバットを片膝で真っ二つにへし折った。4番・佐藤輝も2番手の左腕・ターリーに3球三振に倒れ、好機を逃した。

 連敗が頭をよぎる中、八回も予期せぬ展開が待っていた。広島の3番手・ケムナが2者連続四球と大乱調。糸原のバントで1死二、三塁の好機をもらった形になったが、代打・ロハスもボール球を振り空振り三振。梅野も遊ゴロに倒れ、無得点に終わると、九回は守護神・栗林の前になすすべがなかった。

 「三振じゃやっぱりコトが起こらんから。何とかしようという気持ちで行ってくれているとは思うんやけど。三振じゃね」。気合は空回り。矢野監督の悩みは深まるばかりだ。

 勝負手も実らない。先発・秋山を四回で見切り、この夜は継投勝負に出た。だが3番手・渡辺が誤算だった。2-1の六回1死一塁から小園を2ストライクと追い込みながら、右中間を深々と破られてしまう。「追い込んでの1球というのがすごくもったいないよね。あの1球が悔やまれるなと」と矢野監督。続く末包の犠飛で勝ち越しを献上した。

 この夜はビハインドの展開でも勝ちパターンのアルカンタラ、湯浅、岩崎を投入。攻撃陣を鼓舞するように攻めのタクトを振った。攻撃陣も前夜復帰したマルテに続いて、この日はコンディション不良から糸井がスタメンに戻ってきた。現状のベストオーダーで臨んだだけに、ショックが残る連敗だ。開幕から広島に引き分けを挟んで7連敗。3カード連続の負け越しで、借金は14まで膨らんだ。現状打破へ、何とか策を見い出したい。

 ◆広島に開幕から7連敗 阪神が広島に開幕から7連敗以上は88年の10連敗(引き分けゼロ)が最多。

 ◆1点差試合 阪神は今季1点差ゲーム18試合で5勝13敗。

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