【小山正明氏の眼】DeNAの執念に阪神は何を感じたか

 「DeNA5-4阪神」(19日、横浜スタジアム)

 4点のリードをひっくり返されての逆転負け。佐藤輝ら打つべき人が打って得点を挙げ、前カードで巨人戦3連勝を逃して迎えた6連戦初戦での黒星だけに痛い1敗となったが、開幕から波に乗れない阪神に見習ってほしい点がDeNAにあった。

 ロメロが4点を失って迎えた二回の攻撃。1点を返してなお1死満塁の場面で、三浦監督は代打・宮本を告げた。4点を奪われていたとはいえ、6連戦初戦で先発には1回でも長く投げてもらいたい試合。しかも1点を返していた。それでも勝負をかけ、内野ゴロの間に2点目を奪った。

 1点差に詰め寄った四回には、1死二塁から嶺井、藤田と代打攻勢。四回までに代打3人を送り込む積極采配で同点に追いつき、五回に勝ち越した。劣勢下で控え選手を使わずに試合を進めるのではなく、勝負をかけ続けた三浦監督の采配に選手も感じるところがあったはずだ。

 初回に3点を奪い、二回に佐藤輝の本塁打で4点のリードを奪った阪神。そこまでの攻撃には復調気配を感じたが、追い上げられ、追いつかれ、勝ち越されてからの反発力が乏しかった。このパターンは今年に限ったことではないだけに、積年の課題としてクリアしていかなければならない問題だ。

 連敗で借金は再び14となった。122試合を残しているからといって楽観視はできないし、今後も厳しい戦いを強いられるだろう。三浦監督とDeNAの選手が見せた執念に、阪神サイドが何を感じたかが大切だ。

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