阪神・江越 OP戦虎1号 三回には二盗&技あり生還“虎のラオウ”へ「ここからスタート」

 3回、古賀(右)のタッチをかわす江越(撮影・棚橋慶太)
 7回、同点2ランを放つ(撮影・田中太一)
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 「オープン戦、ヤクルト4-9阪神」(27日、ANA BALL PARK浦添)

 まるで、ピンポン球のように飛んでいった。2点を追う七回1死一塁。江越が育成・丸山翔の直球をアッパー気味に振り抜いた。打球はあっという間に左翼の芝生席へ。チームオープン戦1号となる同点2ラン。キャンプ最後の実戦で爪痕を残した。

 「ちょっと詰まったんですけど、風に乗ってくれたかなと思います。良いバッティングができたと思います」

 三回先頭の第1打席では死球を受けて出塁。すかさず二盗を決めると、坂本の右前打で一気に三塁ベースを回った。「守備、走塁はできて当たり前だと思うので。そういうふうに見られていると思うので」。トップスピードのまま激走。捕手のタッチに体をよじらせながら間一髪でかいくぐり、先制点をもぎ取った。

 1軍公式戦でヒットを記録したのは2019年シーズンが最後。昨季も主に代走や守備固めで31試合に出場したが、与えられた打席はわずか3打席だった。「本当にダメだったら最後だと思う」と覚悟を決め、今オフにオリックス・杉本らと合同自主トレを実施。「スイングの軌道を縦にする」と根本から打撃を改造した。

 「手応えはあるんですけど、もっともっとアピールしていかないといけないと思っているので。キャンプは明日で終わりですけど、逆にここからがスタート。その気持ちです」

 開幕カードでぶつかるヤクルト相手に10安打9得点で勝利。背番号25の長打力と脚力が光る一戦だった。目指すは“虎のラオウ”。30歳のシーズンで花開いた杉本のように、今年こそ野球人生を変える1年にしてみせる。

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