阪神・大山悠輔内野手（２７）と佐藤輝明内野手（２２）が３０日、沖縄での合同自主トレに参加し、ノックで共に三塁を守った。チーム屈指のスラッガー２人が一つのポジションで“競演”。今季も三塁・大山、右翼・佐藤輝が基本線だが、不測の事態に備えるべく、複数ポジションをそれぞれ練習していく。

　雨上がりの内野グラウンドで三カ所ノックが始まると、左右のパワーヒッターが同じポジションについた。笑顔を交え、楽しげに打球をさばいていく。入団以来、三塁を本職としてきた大山と、外野から三塁挑戦を希望している２年目の佐藤輝だ。

　投手経験を生かした矢のようなスローイングが光る大山。三塁へのこだわりについて「いろいろ頑張ります」と話した。佐藤輝はメジャーリーガーのようなダイナミックな動きが特徴的だ。大山の存在については「ライバルみたいに意識することはないですね。自分は自分のやることをしっかりやりたい」と意気込んだ。

　現時点では首脳陣は基本線として「三塁・大山」「右翼・佐藤輝」という昨季と同様の布陣を考えている。しかし、その中でも備えあれば憂いなしだ。大山は昨年の秋季練習から外野守備を練習中。佐藤輝が自発的に三塁の練習を行うこともチームにとってはプラスになる。

　２月１日からいよいよ球春到来だ。「しっかりシーズンを戦えるような１カ月にしたいですし、１カ月しかないと思って、無駄にしないように」と気合十分の大山。中心選手として「年下の選手がやりやすいように環境を作ってあげるのも僕たちの仕事」と可能な範囲でコミュニケーションを取っていく。

　昨季後半に失速した悔しさを胸に、２年目のシーズンへ挑む佐藤輝は「しっかり練習に取り組みたいと思います」と力を込めた。もちろん、外野守備に関しても「しっかり練習していきたいです」とレベルアップを誓った。１７年ぶりのリーグ優勝へ欠かせない主砲２人が、春季キャンプからチームを盛り上げていく。