阪神・佐藤輝明内野手（２２）が２８日、キャンプ初日からフルメニューを消化していく考えを明かした。昨季終盤に負った左膝痛の回復は順調で、「しっかり練習します」と鍛錬の日々を送る。この日は２９日から始まる先乗り合同自主トレに備えて沖縄入り。２年目のジンクスも、周囲からのプレッシャーも、全て打破して一流への階段を上る。

　球春の足音が聞こえる。真冬の関西から２時間２０分の空旅を終えて那覇空港を出ると、爽やかで心地よい南風を感じた。初心忘るべからず－。昨年同様、両サイドをガッツリ刈り上げた髪形で沖縄入りした佐藤輝は「頑張ります。それしか言えないです」と短い言葉で気合を表した。

　昨季終盤に痛めた左膝の状態は「良い感じだと思います」と順調に回復。秋季練習は走塁練習を回避するなど一部別メニューだったが、２月１日のキャンプインから「その計画です」とフルメニューをこなしていく。１カ月にも及ぶ鍛錬の日々で「しっかり練習します」と誓った。

　矢野監督は右翼での起用を基本線と明言しているが、三塁にも意欲を示す背番号８は「両方やると思います」と大山との競争に闘志メラメラ。内野用と外野用のグラブを数種類持ち込み、通常のノックに加えて早出特守も「頑張ります」と積極的に参加する。一分、一秒たりとも無駄にはしない。

　オリックス・吉田正直伝のウエートトレーニングではなく、沖縄では「技術的なことをやっていきたいと思います」と走攻守の課題を突き詰めていく。たとえ体が疲弊したとしても、大量に準備してきたプロテインを体内に取り入れて持ちこたえる。

　昨年はキャンプ序盤のフリー打撃から宜野座村野球場のバックスクリーンに直撃する驚弾を連発。怪物ルーキーとしてキャンプの話題を独占し、勢いそのままに開幕後も進撃を続けた。今年のキャンプは有観客スタート。多くのファンの前で自慢のフルスイングを見せる。

　「練習をファンの方が見るというのは経験したことがないので、どうなるかは分からないですけど。楽しみたいと思います。自分の練習をしっかりすれば、結果はついてくると思います。頑張ります」

　プロ１年目の昨季は１２６試合の出場で打率・２３８、２４本塁打、６４打点。さらなる進化への道は南国から始まる。「ももクロを見て、キャンプ中も頑張りたいと思います」とリフレッシュ方法も万全。怪物が再進撃する。