阪神・佐藤輝 1・17に誓う心の復興 復興途上の西宮市で育った22歳、優勝で「勇気づける」

 被災者に今年こそ優勝を届けると宣言した佐藤輝
 被災者に今年こそ優勝を届けると宣言した佐藤
 兵庫・長田区の住宅密集地を焼き尽くした=1995年1月17日
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 思いを白球に乗せる-。1995年の阪神・淡路大震災は17日で発生から27年となった。激震地だった兵庫県西宮市出身の阪神・佐藤輝明内野手(22)は16日、地元球団に入団した縁を再確認し、野球を通じて被災者に元気を与えることを約束。今年こそ優勝を届けると宣言した。最高の結果で、故郷の“心の復興”を後押しする。

 1年、また1年と月日が流れても忘れることはない。まだこの世に生を受けていなかったが、1月17日が特別な日であることは心に刻まれている。17日で阪神・淡路大震災の発生から27年が経過。激震地となった兵庫県西宮市出身の佐藤輝は、今も苦しい日々を送る被災者を思いながら言葉を紡いだ。

 「震災だったり、病気とか、いろいろ苦しい思いをされている方がいる中で、僕たちができることは元気を与えるじゃないですけど、見て元気になってもらえるようなプレーをすることが大事だと思うんで。そういうのも心に持ってプレーしていきたいと思います」

 6434人の尊い命が失われた天災。22歳の青年は幼い頃から当時の様子を学んできた。「授業とかで習いました。テレビでも見ますし、すごい震災だったんだなというのは知っています」とかみしめるように語った。自身は仁川学院、近大と関西で生活。そして、被災した地元球団にドラフト1位で入団した。震災を経験していなくても、特別な使命があると自覚している。

 昨季は歴代新人左打者最多の24本塁打、野手ワースト記録更新の59打席連続無安打、そしてシーズン143試合目でのV逸決定。酸いも甘いも経験した濃密な1年を経て、「もちろん優勝することが一番。一番はそこを目指したいと思います」と思いは強くなった。

 宮城県に住む父方の祖父母は、2011年3月の東日本大震災で被災。未曾有(みぞう)の自然災害に恐怖を覚える中で、楽天の姿が希望の光に見えた。星野監督の下、2年後の13年にリーグ優勝&日本一を達成。当時の様子は今も脳裏に刻まれている。

 「イーグルスが優勝して東北の方は勇気づけられたと思う。僕たちもできたら」。阪神・淡路大震災が発生してから27年がたった現在も心に傷を残す被災者は多い。コロナ禍が追い打ちを掛けている現状もある。そんな古里に元気を、希望を、感動を。自分が輝けば明るい未来につながる。佐藤輝はそう信じている。

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