内野?外野?阪神・大山と佐藤輝のコンバートが“曖昧”な理由を高代氏が解明

 阪神・矢野燿大監督(53)がこのオフ、大山の外野、佐藤輝の内野起用のコンバート案を示唆した。ただし、あくまでもオプションプランで明言は回避。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「あらゆる事態に備えたものではないか」と、その真意を推し量った。

 最初、この話が耳に入ってきたときは、守備力の強化という意味で、私は非常にいいコンバートだと思った。

 でもよく聞くと、大山の場合は三塁と一塁がメインで、外野はあくまでもプラスアルファとのこと。そうなると佐藤輝はどうなるのか。やや複雑な感じがする。

 佐藤に関しては早い段階から三塁の方が合っていると思っていた。ハンドリングが柔らかいし、スローイングに安定感がある。打撃への影響などを考えると、2年目は三塁で固定した方がいい。

 一方、大山は送球に難点があり、捕球時にもイージーミスがつきまとう。そういう意味で、このコンバート案は一石二鳥だと思っていた。

 大山は肩が強い。だから守るなら右翼がいい。しかし、強肩のあまりカットマンを使わず、高い送球になる危険がある。そこを意識して状況に応じた送球を心がけてほしい-。

 そんなことまで考えていたのだが、完全コンバートではなく“外野起用も視野に入れて”というニュアンス。ここは明確にした方が選手も心構えを含めて準備しやすいのではないか。

 しかし、明確にしていない。そこには当然含みがあるはずで、逆に興味をそそられる。コンバートを“曖昧”にしているということは、あらゆる事態を想定しているのかもしれない。

 単純に思うのはツープラトン。右投手が来れば大山を外し、佐藤輝は現状のまま右翼で使い、三塁に糸原、二塁に木浪あたりを入れる。

 左投手が来れば大山は三塁で使い、佐藤輝の調子次第では小野寺らの右打者を外野で起用する。糸原は守備範囲に問題はあるが、打席での粘りなど総合的に考えると、外せないだろう。

 もちろん大山も佐藤輝も好調なら、投手の右左に関係なく先発起用するだろうが、今年のことを思えば有事に備えたい気持ちも分からないではない。

 理想は三塁佐藤輝、一塁大山。だが、マルテは守備力を考慮すると一塁以外は無理。結局、大山にしわ寄せがくることになる。

 佐藤輝はできる限り使うのではないか。そうなると大山は不慣れな外野と内野の二股で“宙ぶらりん”状態になることが容易に想像できる。打撃にムラがあるタイプだけに、相当な危機感をもって臨まないと厳しいシーズンになるだろう。

 チームは監督の考え方、起用で大きく変わってくるものだ。すでに大山は秋季練習で、左翼のポジションから打球を追いかけていたが、キャンプが始まればハッキリした輪郭が見えてくるはず。

 阪神がどうなっていくのか、じっくり見ていきたいね。

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