阪神の岩崎優投手（３０）が１７日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、５５００万増となる１億５０００万円でサインした。ドラフト６位以下の生え抜き選手では球団初の１億円超え、阪神の生え抜き左腕では能見以来となる大台突破に、クールな左腕も思わず笑みをこぼす。（金額は推定）

　「継続してルーキーの時から投げているというのも、評価していただいた。そこはこだわっているところでもあるのでありがたく思います」

　今季も主に守護神・スアレスにつなぐ“八回の男”として活躍した。「五輪もやりながら、チームに帰ってきてからも、また頑張った。そこは評価した」と嶌村球団本部長。侍ジャパンの火消し役としても活躍を見せ、金メダル獲得に貢献したことも金額の大幅アップにつながった形だ。

　来季の目標に“失敗ゼロ”を掲げる。「とにかく失敗の数を減らしていきたい」とうなずき、“ゼロを目指すか？”との問い掛けには「もちろんそうです」と言い切った。

　「任されたところをやるだけ」とスタンスは変わらないが、スアレス不在のブルペンでその存在感はさらに増す。「若い選手のレベルアップのために自分ができることはどんどんやっていって。引っ張っていかないといけない」と強い自覚を示し、「個人のホールド数も（チーム）順位も２位だった。絶対に優勝して、個人でもタイトルを獲ってというシーズンにしたい」と力強く誓った。

　◆生え抜き初　２０１３年度ドラフト６位入団の岩崎がプロ９年目の年俸で１億円（１億５０００万円）突破。ドラフト６位以下で１億円超えは球団では新井貴浩（阪神１年目の０８年度）がいるが、新井は広島からの移籍選手。球団生え抜きでは岩崎が初めて。