阪神・井上“打倒・奥川”日本S好投「自分も上の世界」 “イチ流トレ”でケガ乗り越える

 契約更改を終え会見する井上(代表撮影)
 19年夏の甲子園、星稜・奥川から3ランを放つ履正社・井上
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 阪神の高卒2年目・井上広大外野手(20)が21日、西宮市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の720万円でサインした。今季はウエスタン・リーグトップの50打点をマークした一方で、春季キャンプから3度のケガに泣き、1軍出場はなし。来季はケガをしない体を作り上げ、大ブレークを果たしたヤクルト・奥川ら同級生と1軍で対戦することを熱望した。(金額は推定)

 目に映ったのは、同級生の奮闘だ。前日20日に開幕した日本シリーズで、ヤクルト・奥川が7回1失点の好投を見せた。高卒2年目で大ブレークを果たした右腕。反して鳴尾浜で地道にリハビリを続けている井上は、来季への思いを強くした。

 「同級生が上(1軍)で頑張っている姿を見ると、自分も上の世界で対戦したいなというのはある」

 ケガに泣かされた1年間だった。宜野座キャンプでは左膝を打撲して途中離脱。6月には左肩を負傷した。8月にはウエスタンで17試合連続安打を記録するなど、1軍昇格も見えていた矢先に右脛骨(けいこつ)を骨折。奥川やオリックス・宮城ら同級生が次々と飛躍を遂げる中、自身は1軍昇格がないままシーズンを終えた。

 「客観的に試合を見ている中で、自分がその立ち位置に立っていたら、何か結果が変わっていたかもしれないというのは…」。前半戦の躍進を支えた佐藤輝らの打撃不振でチームが苦しむ中でも、何もできない自分を受け止めるしかなかった。

 ケガをなくして1軍で活躍するため、オフは「心」と「体」の両方を鍛える。「体」の面では、現在マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏が重視した、「初動負荷トレーニング」を負傷後に新しく取り入れた。西純から紹介してもらい、週2回を目安にトレーニング施設へ通っている。「関節、可動域が上がる。パフォーマンスの向上につながってくる」とうなずく。

 1番のテーマとするのは「心」の面だ。「人の意見を聞くよりも先に自分の頭で考えて。その意見を相手側に伝えて、相手の意見を聞いて。自分の中で整理して答えを出していく」。多くの知識を得られる環境において、自分の軸を失わないよう自ら考えて、行動。3年目のシーズンは自立心も養っていく。

 完全復活の暁に思い描くのは、満員の甲子園だ。「この期間を大事にして、ケガの功名と言えるように。今シーズンの始めは観客も入っていなかったので、満員のお客さんに全力プレーを見てもらえれば」。苦悩の1年を乗り越え、誰よりも大きく成長する。

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