阪神 ルーキーが新風 中堅伸び悩みも若手台頭-来季に光

 阪神・矢野監督が集大成と位置づけた就任3年目のシーズン。最終戦までV争いを演じたものの、16年ぶりとなるリーグ制覇はならず、前年と同じく2位が確定した。一時は2位に最大7ゲーム差をつけながら、なぜ悲願達成はならなかったのか。シーズンを振り返りながら、V逸の原因、そしてポストシーズン、来季へ向けての希望や収穫も交えて探る。今回は4回連載の4回目。

  ◇  ◇

 V争いを繰り広げたチームに新風を吹き込んだのはルーキーたちだ。ドラフト1位・佐藤輝は新人離れした飛距離でキャンプから話題を独り占めにし、5月28日・西武戦では衝撃の1試合3発。球団新人記録を塗り替え、24本塁打を放った。

 同2位・伊藤将は即戦力の触れ込み通りの活躍を見せた。開幕ローテをつかみ、球団新人左腕では67年・江夏以来となる2桁勝利を達成。同6位の中野も「2番・遊撃」に定着。走攻守にわたってめざましい成長を遂げ、盗塁王のタイトルも手中に収めている。

 「長距離砲、先発左腕、二遊間」はいずれもチームの補強ポイントだった。20年のドラフトでは19年の高校生中心から一転、即戦力重視で臨み、早速、その成果が表れた形だ。

 一方、中堅組の存在感は薄れてしまった。初の開幕投手を務めた藤浪はチーム状況によって役割が変わり、1、2軍を往復。藤浪自身も最後まで居場所をつかみきれず、復活は持ち越しとなった。野手では高山が開幕を2軍で迎え、ウエスタンでも打率・202と低迷。初の1軍出場なしに終わり、何とも歯がゆいシーズンに。

 今春のキャンプMVPに輝いた2人だけでなく、陽川も41試合出場で打率・174。北條もケガに泣き、33試合出場にとどまった。レギュラーを奪回するはずが、ルーキーや、助っ人勢に出場機会を奪われてしまった。

 中堅組が伸び悩む中、シーズン終盤に不振のサンズ、佐藤輝らに代わって出番を増やしたのは島田と小野寺ら有望株だ。矢野監督は過去の実績にとらわれず、今季ファームで打率3割以上を記録していた2人を積極起用。投手陣でも高卒2年目・西純がプロ初勝利を挙げ、及川、小川ら若手の台頭が見られた。

 ここ数年、チームはFA補強に頼るのではなく、生え抜き路線にかじを切ってきた。チームは3年連続Aクラス、そして今季は12球団最多の77勝を記録した。巻き返しを期す中堅組がレギュラー争いに加わり、競争の火花を散らせば、来季の虎はもっと強くなるはずだ。=おわり=

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