阪神・岩田「体が動かなくなったことは何回も」 1型糖尿病と闘い投げ抜いたプロ16年
今季限りでの現役引退を発表した阪神・岩田稔投手(37)が25日、デイリースポーツのインタビューに応じ、プロ16年間の現役生活を振り返った。高校2年の冬に発症した1型糖尿病。これまで明かすことがなかった「登板への影響」についても語った。
-現役引退という実感は。
「気持ちは楽になりました。もう頑張らんでええんやなって。犬の散歩してる時も、(引退発表後は)ご近所さんから声を掛けてもらえるようになりましたね」
-主治医の竹川先生は健康に気をつけるから長くできるんじゃないかと話していた。
「その通りになりましたね。そう考えるとすごい。この前、引退後初めて竹川先生のところに診察に行って『ようやったなあ』と言ってくれました」
-17歳で発症して、もうすぐ21年になる。
「他の先生から、そこまできたら神経障害というのが出てくると聞いて。血糖コントロールがうまくいかなくて失明したり、指先がしびれたり、壊死(えし)して切らなアカンとか、そういうのが結構あるらしいけど、僕は一切ないからそれだけでもすごいと。当たり前のことが当たり前じゃなかったんやなあと思います」
-糖尿病の影響は。
「生きていく、生活していくことを考えたら気をつけないといけないことはある。でも慣れてしまえば、健康な人が歯を磨く、コンタクトを入れるのと一緒やと思ってます。考え方にもよると思いますけど、苦にならなかった」
-改めてインスリンを打つタイミングは。
「朝起きて朝食を食べる時にまず血糖を測定して、基礎分泌が必要なのでそのインスリンを打って、毎食前にも打つという形で、1日、4回です」
-登板中の影響は。
「体が動かなくなったことは何回もあった。アドレナリンが出て高血糖状態になって、数値が300を超えてくると、首、肩付近凝り固まって」
-今まであまり話してこなかった。
「それより目の前の試合に勝たなあかんから。それを理由にしたくないので」