阪神に高橋大明神 菅野に投げ勝ったプロ初完封128球 巨人離したヤクルト0差

 プロ初完封を飾り梅野(左)と喜び合う高橋(撮影・佐藤厚)
 8回、左前打を放つ高橋(撮影・飯室逸平)
 敵地・東京ドームで巨人を完封した高橋はスタンドの声援に応える(撮影・田中太一)
3枚

 「巨人0-3阪神」(25日、東京ドーム)

 しびれる投手戦を制したのは虎の左腕だった。阪神の高橋遥人投手(25)が2試合連続2桁となる13奪三振の快投を演じ、4年目で自身初完封。巨人の絶対エース・菅野との壮絶な投げ合いとなったが、最後までマウンドに君臨した。今季は故障で出遅れ、まだ2勝だが、進化を遂げた若虎は悲願のために、そして己のために勝ち続ける。

 最後に絶体絶命のピンチが巡ってきた。3点リードの九回1死満塁で打席に丸。「なんで最後にこうなるのかな」と高橋は心の中で思ったが、己の左腕を信じて腕を振った。丸をカットボールで空振り三振に仕留めると、代打・亀井も同球で右飛に抑えて自身初の完封勝利。自己最多128球を投じ、菅野に投げ勝った。

 爽やかな笑みを浮かべ、敵地でのヒーローインタビューへ。左翼席の虎党に両手を振った高橋は「九回まで来ていたんで、1点もあげないで本当に完封したかった。その通りになって良かった」と安ど感をにじませた。

 高橋らしくハイペースで三振の山を築いていった。150キロ超えの直球にツーシーム、カットボールなどを決め球として操り、巨人打線を翻弄(ほんろう)。スタンドの阪神ファンも2ストライクになった瞬間は安心顔で温かい拍手を送っていた。

 13奪三振をマークし、自身初の2試合連続2桁奪三振。これは17年・メッセンジャー以来の快記録だ。さらにバットでも、1点リードの八回1死で菅野から左前打を放って出塁。「たまたまです」と本人は謙遜したが、これが後に中野の2点適時二塁打を呼び、本塁に生還。投打で勝利に貢献できた。

 六回までは両軍ゼロ行進が続いた。投手戦になることは覚悟していただけに「先に点を与えない」と決意していた。昨季は1失点ながら敗戦した試合や、先に降板したが白星が舞い込んだ試合もあった、菅野との投げ合い。今回は最後までマウンドに立ち、正真正銘、投げ合いを制した形だ。

 昨季から高橋は菅野の投球スタイルを理想に掲げていた。「菅野さんは九回まで球の強さが全く変わらない。あんな投手こそエース」-。この日の高橋は尻上がりに調子を上げ「後半になるにつれて指に掛かり始めた」と最終回まで150キロ以上の球速を維持。球の威力も全く衰えなかった。

 今季チーム初完封投手となり、18イニング連続無失点の高橋を、矢野監督も「申し分ないよね」と絶賛した。背番号29の快投が優勝への希望につながる。「1試合でも多く勝たせられるように」。頂を見据え、必勝宣言だ。

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス