【岡田彰布氏の眼】阪神「勝てるチャンスはあった」三つどもえでは痛恨のドロー

 「巨人6-6阪神」(24日、東京ドーム)

 阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏が24日、東京ドームで行われた巨人-阪神戦で本紙の解説を務めた。三つどもえの争いの中、2位と3位の直接対決で引き分けた意味を分析した上で、「阪神も巨人も勝ちたかったし、勝てた試合」と評論。勝ちきれなかった要因はミスと指摘した。

  ◇    ◇  

 阪神は最終回に追いつき、その裏もよく粘った。ただこの試合は2位と3位の直接対決。首位・ヤクルトを追うためには、勝ちたかったゲームであり、勝てるチャンスはあったように感じる。

 象徴的だったのは九回、サンズが中越えの適時二塁打を放った。その直後、丸からボールを受けたカットマン・吉川の本塁送球が三塁側にそれ、高く浮いた。捕手・小林も捕れずバックネット前を転々としただけに、サンズは確実に三塁へ進まないといけない。

 まだプレーが途切れていない中、サンズは二塁到達後、ベンチに向かってガッツポーズするような仕草もあった。吉川がリリースする瞬間やボールの軌道を見ていれば、確実に三塁へ行くという判断はできたはずだ。

 一気に無死三塁にできていれば、3人で1点という意識で攻撃できるし、ベンチもスクイズなどの作戦が採りやすい。犠打を経ての1死三塁よりも、勝ち越し点を奪う確率は高まる。こういう細かいミスが最終的に結果となって響いてしまう。

 一方、巨人も守護神のビエイラがいきなり先頭打者にストレートの四球。打順の並びを考えれば、八回にビエイラ、九回に中川を持ってくることも選択肢としてあったかと思う。だが原監督の起用法を見れば、残り試合、守護神に据えて戦って行くということなのだろう。

 この試合は両軍ともミスをして、それをカバーするという展開。九回裏の中野のプレーは本当に素晴らしかったが、坂本の打球に対して近本は追いついた以上、捕ってあげないといけない。こういう厳しい試合を勝ち切るためにはやはり、ミスを無くすことだ。

 この日のドローは率直に言って「ヤクルトが喜んでしまう引き分け」。三つどもえで、ヤクルトが2位と3位のゲーム差を同時に広げることができた。そして阪神も巨人も今3連戦が1勝1敗1分けとなると、首位が白星を積み重ねればさらに離されてしまう可能性は否めない。

 だから阪神は残り2試合、連勝することが求められる。それは巨人も同じであり、厳しい戦いになることが予想される。三つどもえの争いという観点から考えても、第2戦が持つ意味は両軍にとって軽くはないはずだ。

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