【谷佳知氏の眼】今永の術中にはまってしまった阪神の右打者

 「DeNA8-1阪神」(12日、横浜スタジアム

 阪神の打線は今永の真っすぐに負けていた。しかも左の今永に対して並べた右打者がダメだった。11個の三振のうち右打者が10個では厳しい。今永に対応できていたのが、近本と中野の左打者というのは皮肉なことだ。

 この日の今永の真っすぐはキレがあり、スピードもあった。打者は当然真っすぐに合わせようとするが、ファウルになったり仕留めきれずにいると、チェンジアップでかわされてしまい、そのうち的を絞れなくなるという悪循環に陥る。この術中に、阪神の右打者ははまってしまった。

 全体的に今永にやられたが、左投手ということで起用された小野寺は、ちょっと1軍では厳しいように感じる。個人的なことではあるが、大学(大商大)の後輩だけに頑張って欲しいと思っている。ただ、明らかにスイングスピードが遅い。これでは1軍クラスのキレのある球はなかなか捉えられないだろう。

 小野寺がレギュラーを奪うには左投手を打たないと始まらない。そのためにも今は練習で鍛えるしかない。

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