谷佳知氏 阪神が混戦抜け出すためには「ミスをしないで隙を見せないこと」
「DeNA2-6阪神」(17日、東京ドーム)
阪神は2本塁打を放った佐藤輝の活躍で快勝した。2位の巨人が敗れたためゲーム差は2と広がったが、巨人に勝った3位ヤクルトとは2・5差と三つどもえ状態は続く。デイリースポーツ評論家の谷佳知氏はこの“3強”状態はしばらく続くと見て、阪神が抜け出すポイントは「ミスをしないで、隙を見せないこと」だという。
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佐藤輝の大活躍で快勝した。確かに2本の本塁打は大きかったが、八回の攻撃は今季の阪神の強さを象徴する意味でも見逃せない。
「ロハスの安打で代走に出てきた植田が、すかさず二塁へ盗塁を成功させた。その後、梅野のタイムリーが出て、さらに代打・糸井の安打の代走で出てきた島田も盗塁を決め、近本の2点タイムリーを呼んだ。佐藤輝の一発だけではなく、足を絡めた攻撃で奪った追加点はダメ押しとなり、勝負を決めた。相手は足が速い選手が出てくると、打者に対してストレートを中心に勝負せざるを得なくなり、盗塁も警戒しないといけなくなる。守っている方としてはプレッシャーを掛けられ、苦しくなるだけに、この阪神の攻撃は見事だった」
機動力を存分に発揮する今季の野球は、以前の阪神のイメージとは異なる。これが今後の戦いもできれば、三つどもえ状態から抜け出す可能性も十分あるという。
「巨人は勝ち方を知っていて、ヤクルトは打線が強力。阪神は投手力が強いだけに、打線がどれだけカバーできるか。そのためにも機動力を使い、隙のない攻撃を今後もどれだけできるか。あとこの日の試合で、初回の1死満塁で佐藤輝が右翼フェンス直撃の安打を放った際、判断を誤って二塁から生還できなかったサンズの走塁や、四回に見せた糸原の失策のようなミスを防げるか。これができれば混戦を抜け出せられるだろう」
阪神の悲願達成か、巨人、ヤクルトの逆転Vか。ちょっとした隙やミスが、今後の優勝争いの行方に影響するのは間違いない。