打席も忘れて阪神・秋山7勝目 糸原にバラされ「墓場まで持っていくつもりだった」

 「阪神4-1巨人」(9日、甲子園球場)

 阪神の先発・秋山拓巳投手は自身の打席も忘れるほどの集中力で今季7勝目を手にした。

 初回から「ウリャ!」と声を上げ、気迫のこもった投球。前回登板した4日・広島戦(マツダ)では3回2失点で降板となり「とにかく意地を見せたろうと思って」と、臨んだマウンドで結果を示した。

 五回にウィーラーにソロこそ浴びたが、6回0/3を1失点。七回は無死二、三塁のピンチを招きながら、“恵みの雨”にも助けられた。五回の攻撃では珍しい場面も。1死一塁で秋山の打順だが、なかなかベンチから出てこない。審判がベンチに駆け寄り、北條が笑いながら“待った!”の合図をかけていた。

 少ししてから、打席に向かい、きっちりと初球で犠打成功。続く近本の適時打につなげた。

 試合後のヒーローインタビューであのシーンの真相が明らかとなる。糸原が秋山の投球について聞かれると、「秋山さんが自分の打席を忘れるくらい集中してたので、何とかしっかり守ってやろうと思っていました」とニヤリ。秋山は苦笑いを浮かべ、正直に暴露した。

 「言わずに墓場まで持って行くつもりだったんですけど…。後輩に簡単にしゃべられちゃって(笑)。五回を何とか抑えて、もう気持ちが六回にいって、攻撃のこと忘れちゃってました」

 打席も忘れる集中力がこの日の好投を呼び込んだようだ。

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