阪神・佐藤輝 大台20号に満面笑み 新人左打者タイにも「あと一本で勝てた」

 4回、20号同点2ランを放ち、メダルを胸に「Zポーズ」を決める佐藤輝(撮影・飯室逸平)
 4回、右越えに同点2ランを放つ佐藤輝
 7回、好返球で二塁を狙う青木を刺す佐藤輝
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 「ヤクルト6-4阪神」(7日、神宮球場)

 ついに伝説の天才打者に肩を並べた。阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が四回、右翼席に12試合ぶりの20号2ランを放った。1946年に“青バット”の大下弘(セネタース)が作った新人左打者の最多本塁打記録に並んだ。これで田淵幸一が持つ球団記録にあと2本。試合には敗れたが、怪物ルーキーのバットは復調気配。新たな伝説へ、まだまだアーチを量産する。

 一年に一度の七夕の夜空に、虎党の願いを乗せた白球が勢いよく舞い上がった。打った佐藤輝は、その行方を確信してゆっくりと走り出す。大台の20号到達。天国から喜んでいるであろう先人の偉業についに肩を並べた。

 待ちに待った瞬間は2点を追う四回無死一塁。高梨の落ちきらなかったフォークに対し、体を沈ませて対応した。右翼席に着弾する同点2ランは6月23日・中日戦以来、12試合ぶりの一撃。米大リーグ・パドレスが行っていた儀式をまねて作られた虎メダルを、坂本から贈呈され「ようやく自分もメダルを付けることができてうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

 1946年・大下が記録してから75年の時を経て、新人左打者歴代本塁打記録に到達。2リーグ制以降の新人左打者記録で並んでいた高橋由伸(巨人)を抜き去った。普段、記録へのこだわりは口にしない佐藤輝だが、「もっともっと上を目指して頑張っていきます」とここからも積極果敢に本塁打を狙っていく。

 “輝レーザー”も圧巻だった。同点の七回先頭の青木が右越えの打球を放ったが、クッションボールを素早く処理し、二塁へノーバウンド送球。間一髪のアウトに高津監督もリクエストしたが、リプレー検証の末、判定は覆らず。「しっかり刺すつもりで投げたので刺せて良かった」と淡々と振り返っていた。

 攻守の働きぶりが際立ったが、同点の五回2死満塁では星に空振り三振に倒れた。この日は3三振を喫し、シーズンの三振数が112に。球団新人ワーストの近本の三振数110を超えた。思い切り振って長打が打てることが佐藤輝の魅力だが、ここぞの場面での対応力向上も求められる。

 試合後、佐藤輝自身も満塁で打てなかったシーンを挙げ「あと1本打てれば勝ってた試合だったので、そこは自分の反省点として明日以降もやっていきたい」と巻き返しを誓った。

 矢野監督も「新人で20本打つのはすごい」としつつ「バットに当たらない三振が増えている。何とか乗り越えてほしい」と期待した。勝負強い打者になるために、打席で進化を重ねていくしかない。

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