「広島４－３阪神」（４日、マツダスタジアム）

　阪神は矢野監督の勝負手が裏目に出てしまった。１点リードの四回２死二、三塁。直前の三回に２点を失った先発・秋山を早々に代え、原口を打席に送った。「アキ（秋山）の状態と森下っていうのと」。難敵攻略の好機と積極采配で攻め立てたが、得点は奪えなかった。

　直後に２番手としてマウンドに上がった斎藤は、２四球と苦しみながらも無失点。しかし続く五回に登板したドラフト８位・石井大（四国ＩＬｐ・高知）が粘れない。２死一、三塁とピンチを広げたところで降板。バトンを託された岩貞は、坂倉に左翼へ逆転の２点二塁打を浴びた。

　指揮官は「五、六回はみんなでなんとか乗り越えてほしいというところで大智（石井）がいいんじゃないかと」と五回に起用した意図を説明。１軍に昇格した５月１９日以降、登板８試合で１失点と安定感を見せていたが…いずれもビハインドでのマウンドだった。

　矢野監督は「一人なんとか。サダ（岩貞）が頑張ってくれたらという起用だったんだけど」と肩を落とす。その後も馬場、及川、藤浪と今季最多タイの７投手をつぎ込む“マシンガン継投”を敢行。懸命にカード勝ち越しを目指したが、攻撃陣が拙攻に次ぐ拙攻で１点差の逆転負け。勝負の９連戦を前に、疲労感だけが残った。