阪神ドラ6中野 規定打席到達打ァ!打率リーグ10位・289!
「阪神2-6巨人」(19日、甲子園球場)
八回無死で迎えた今季192打席目。出場55試合目でついに到達した規定打席で「H」ランプをともした。ベンチに向かって拳を突き上げた阪神ドラフト6位・中野(三菱自動車岡崎)。打率・289で、リーグ10位に名を連ねた。
初回は自慢の足で見せ場を作った。中前打で出塁した初回無死一、二塁。マルテの左飛で近本が三塁へタッチアップするのを見て、二塁を陥れた。「常に次の塁を狙うというのは自分の走塁」と、相手の隙を見逃さなかった。
守備では四回2死で二遊間の打球を懸命に手を伸ばし好捕。「持ち味は広い守備範囲」と、一回転からの一塁送球でアウトにした。ただ、五回2死三塁の同点機での打席では、「自然と出た」ヘッドスライディングも一歩及ばず、遊ゴロ。下を向いて、悔しがった。
それでも敗退の中、存在感は光った。矢野監督も「規定打席に名前が載るのはずっと出ている証し」と評価。すでに「2番・遊撃」を不動のものにしつつある。このまま佐藤輝とともに新人2人がシーズン終了時に規定打席に到達していれば、球団史上初の快挙だ。
父・茂明さんは「社会人卒はプロでいられる時間が短い。だから楽しんでほしいんです」と言う。その言葉通り、中野には一球にかける思いを感じる。規定打席は通過点。「出していただいている期待に応えたい」と、即戦力新人はチームに貢献し続ける。