【金本知憲氏の眼】阪神・佐藤輝は不思議なバッター 本塁打と凡打のギャップも魅力

 「阪神2-6巨人」(19日、甲子園球場)

 ネット裏の放送席からではあったが、阪神ドラフト1位・佐藤輝の打撃を初めて生で見た。六回のホームランは、スライダーが高めに抜けてきたとはいえ、外寄りのボールを右中間に運んだというのはたいしたものだ。

 まだ内角の速い球と、内外角ともに高めの球に弱さがあると感じるが、変化球にタイミングが合っている。普通、プロに入って最初は変化球に戸惑うもの。後ろに重心が残り気味な打撃を見ても、変化球をうまく拾えない時があると思うが、楽天戦では田中将の内角低めのスライダーをホームランにしている。

 そういったことも含めて、表現するなら「不思議なバッター」だ。スイングの強さや速さ、初球からフルスイングできる思い切りの良さがある一方、あっさりと三振したり凡退することもあるが、そういったギャップも魅力に映る。見応えのある選手だ。

 ボール球に手を出しているところもあり、高めを空振りすることも目立つが、全く気にしなくていい。すべて完璧なバッターはいないし、これが僕の打撃スタイルです、というぐらいでいいと思う。これでまっすぐに強くなれば手が付けられなくなるのではないか。

 阪神は連勝が止まったが、今日に限っては巨人の方がミスをカバーできていた。阪神は五回無死二塁から伊藤将が送りバントを失敗して無得点。巨人は六回に、岡本和が無死一塁からゲッツーに倒れた後に坂本がホームランでリードを広げた。

 今季、阪神はミスをカバーして勝つことが多い。今日に限っては、たまたまそれができなかったというだけの試合かなと思う。

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