【西山秀二氏の眼】不利なカウントでも勝負できるようになった阪神・青柳
「楽天2-3阪神」(11日、楽天生命パーク宮城)
阪神は投手が粘り、主軸の一打で逆転するというチームに勢いが出る理想的な勝ち方だった。その中で、やはり勝利を呼び込んだ立役者は好投の青柳だろう。
初回に島内にシンカーを拾われる先制の適時三塁打を打たれ、二回は茂木に内角直球を本塁打にされる苦しい序盤戦。だが三回以降は左打者の内角へのスライダーが有効だと感じると、配球を切り替えて安定感が増した。
四回1死一、二塁では銀次を内角スライダーで空振り三振。その球に左打者の意識が行くと、外角のスライダーでストライクを取る工夫も見えた。梅野の頭脳的な配球だが、それを可能にしたのは青柳の制球力だ。
以前はボールが先行すると立て直せない面もあったが、今は投手不利なカウントでもしっかりと勝負ができている。制球力を含め、シーズンの中で成長を続けている印象だ。
パ・リーグで首位を走る楽天との3連戦初戦。相手にも今年の阪神の強さを刻み込んだ勝利だったと思う。