阪神・矢野監督 惜敗も前向き「勝ち越して帰る」 節目にふさわしい熱戦「いい試合」
「巨人5-3阪神」(15日、東京ドーム)
虎党の叩くメガホンの音、マウンド上の投手を鼓舞するG党の拍手がドーム内に交差する。両軍ファンが醸し出す、これぞ伝統の一戦といった雰囲気。節目の2000試合目は最後の最後まで目が離せない熱戦となった。
2点を追う九回だ。先頭・梅野の二塁打、そして連続四球。粘りを見せる阪神が一打同点、長打が出れば大逆転となる1死満塁の場面を作る。
首位を走る猛虎打線が4連勝中の勢いで抵抗し、守護神のビエイラを欠く巨人・原監督が必死の継投でつなぐ意地と意地のぶつかり合いは、大江が糸原を空振り三振、野上がマルテを遊ゴロに仕留めてゲームセット。この日、猛打賞を決めている次打者・佐藤輝に打席が回ることなく、巨人に軍配が上がった。
1点差を守り切った初戦に続き、最後まで必死に抵抗した戦いを、「いい試合はできていると思う」と振り返った矢野監督。節目の一戦については「やっている時は目の前の試合に集中してやっているから。その結果が2000試合だと思う。ずっと意識してやっているわけじゃないからね」とだけ話した。
宿敵との第1戦から85年。500、1000、1500試合目に続き、2000試合目も勝利を挙げることができず。これで阪神の835勝1094敗、71分けとなった。
この日の戦いを前に矢野監督は「先輩方、皆さんが作ってくれた伝統がある。僕らが引き続き、さらにいい試合、ファンの人に魅力ある試合、そういう伝統ある試合にしていきます」と誓っていた。
まだまだ続く永遠のライバルとの戦い。今季に限ればここまで4勝4敗のタイだ。指揮官はくしくも佐藤輝と同じく最後に「勝ち越して帰るよ」と力を込めた。首位を快走するチームは、すでに2001試合目へと視線を向けている。