【佐藤義則氏の眼】阪神03年V再現十分ある 層厚い先発、糸原好調でつながる打線

 1日に甲子園球場で開催予定だった阪神-広島は強い雨のためノーゲーム。徐々に雨脚が強まったことで三回表終了時から中断となった。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏(66)は、この中止が今後の阪神に影響を及ぼすことはないとし、さらには首位を走るチームの戦いぶりについて、自身が阪神でコーチをしていた03年の優勝時に「引けを取らない」と証言した。

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 雨でノーゲームとなったが、今後に影響を及ぼすことはなさそうだ。4月30日・広島戦の勝利で20勝一番乗りとなった阪神。私がコーチをしていた2003年にも同じ経験をしたことがある。

 相手もあることで、当時の優勝と単純比較はできないが、このまま最後までいく可能性は十分にあるだろう。

 大きな強みとして先発投手陣の投球内容と、層の厚さが挙げられる。基本的に、全てのピッチャーがしっかりと役割を果たしている。もちろん好不調というものがあり、例えば藤浪が調子を落としたとなれば、先日のチェンのように、勝ちを期待できる代わりのピッチャーが控えている。

 またこの日、先発した伊藤将は、左打者の外角低め、右打者へのチェンジアップ系が効果的で、四球の怖さもない。前回は完投でスタミナも見せた。新人ながら、勝てるピッチャーと見るが、それでもこの雨で、ローテ再編に頭を悩ませる必要がない。1人のピッチャーの順番が飛んでも全体に影響が及ばない層の厚さだ。

 そして、打撃陣だ。赤星、金本、今岡らが打ちまくった、という03年と比べれば、近本、大山らはまだ小粒と言えるかもしれない。

 それでも、チーム力として、特に今は糸原がいいだけに、近本が出塁すればチャンスを大きくしてクリーンアップに回せるし、近本が出なくても自分でチャンスメークできる。糸原の存在により、大山をはじめとする、中心打者が非常にうまく機能している部分は03年に引けを取らない。

 この投打のかみ合いがとてもよく、先発の誰かが悪くなっても、打線が調子を落とす日があっても、停滞が長引かない。順位を落とす要因は大きな連敗だが、それを想像しづらい戦力になっている。開幕前、阪神優勝とした私の順位予想は今なお、揺るがない。

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