阪神・ドラ2伊藤将 12球団新人一番乗りの完投勝利!チームの連敗ストップに貢献

 「阪神13-1DeNA」(24日、甲子園球場)

 期待と高揚感に満ちた聖地に響く「あと1球コール」。13-1の九回、山下を三ゴロに打ち取ると、場内は万雷の拍手に包まれた。マウンドに駆け寄った梅野から優しく背中をたたかれ、阪神のドラフト2位・伊藤将司投手(JR東日本)はようやく笑顔を見せた。

 「うれしいですね。点(差)が最初からあったので、力まず、貫こうと思っていた低めに投げることは常に意識していました」

 序盤から危なげない投球で凡打の山を築く。3つの併殺打を含む12個のゴロアウトを奪い、9回7安打1失点、124球。12球団新人一番乗りとなる完投勝利で2勝目を挙げた。球団新人では2010年の秋山以来、11年ぶりだ。

 初回、1死二塁で迎えた打席では、上茶谷の143キロ直球を中前に運び、プロ初安打。「やっと1本打てて良かったです」とうれしそうにはにかんだ。

 勝つために-。伊藤将には明確な理想像がある。社会人時代の昨年、コロナ禍でチームが活動休止となった際、JR東日本の坂上拓投手コーチ(39)の発案で課題作文に取り組んだ。その中で『勝てる投手とは』というテーマに対し、左腕はこう記した。

 「勝てる投手とは、安定した投球ができる投手だと思う。調子が悪く、うまくいかない時にも、自分の投球スタイルを崩さずにゲームメークできる投手」

 これを体現するべく、投球は制球力を重視。さらに、投球以外のけん制やフィールディングなどへの意識も高く、坂上コーチは「自分から崩れることはない。そういったところがプロにつながったかな」と振り返る。

 まさに理想像通り、安定感抜群の投球で、3連敗中だったチームの勝利に大きく貢献した即戦力左腕。「(連敗を)やっぱり止めたかったので、本当に良かったです」。悲願の頂点へ。“勝てるルーキー”が、再びチームの勢いを加速させる。

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