阪神ドラ1・佐藤輝の成功のカギ「内角攻め」への対応は?データ上は成長の跡

 阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が開幕から19試合を終え、リーグ3位タイの5本塁打、同9位タイの10打点をマーク。打率・214で、30三振はリーグワーワーストながら、4月9日・DeNA戦(横浜)での右中間場外弾などパンチ力は大きな魅力だ。

 佐藤輝の打撃の話題になると、よく聞く「内角攻め」。開幕前から矢野監督や評論家らがシーズンを戦い抜くポイントとして、内角を挙げていた。

 佐藤輝も開幕後に内角を意識するコメントを残している。4月6日・巨人戦(甲子園)。二回にサンチェスの内角高めの145キロを中前に運んだ。10打席ぶりの安打を放った後、こう話した。

 「内をずっと攻められていて、これまでそれを捉えることができていなかった」

 執拗(しつよう)な内角攻めはデータにも表れているのか。まだサンプルは少ないが、佐藤輝への投球内容を分析すると、数字に表れていた。

【右投手の直球96球の内訳】

◆内角…51球(53%)

◆真ん中…25球(26%)

◆外角…20球(21%)

【左投手の直球49球の内訳】

◆内角…27球(55%)

◆真ん中…11球(22・5%)

◆外角…11球(22・5%)

 左右投手を合わせると、直球は145球のうち、54%に当たる78球が内角へ投げ込まれている。さらに右投手は、内角へ切れ込んでいく変化球を投げる割合が高い。

【右投手のカットボール23球の内訳】

◆内角…16球(70%)

◆真ん中…3球(13%)

◆外角…4球(17%)

【右投手のスライダー11球の内訳】

◆内角…7球(64%)

◆真ん中…4球(36%)

◆外角…0球(0%)

 これに加えて右投手はフォークを60%(20球中12球)、チェンジアップを77%(13球中10球)を外角へ配球。左投手もスライダーの57%(30球中17球)を逃げていく外角へ投じている。内角を意識させた上で落ちたり、逃げたりする変化球で勝負する攻めが浮かび上がってくる。今後も「内角」がカギになることは間違いなさそうだ。

 ただ、佐藤輝もやられっぱなしではない。19試合の打撃成績を前半、後半に分けた。

 【3月26日・ヤクルト戦~4月4日・中日戦までの9試合】

◆内角…9打数無安打、打率・000

◆真ん中…7打数2安打、打率・286

◆外角…14打数2安打、打率・143

【4月6日・巨人戦~4月18日・ヤクルト戦までの10試合】

◆内角…17打数4安打、打率・235

◆真ん中…12打数5安打、打率・417

◆外角…10打数2安打、打率・200

 データ上だが、最近10試合は、内角を打ちにいって結果も出している。少しずつ対応する感覚をつかんでいるのかもしれない。実際に最近は内角を打ちにいっても、以前のようにバットを折るケースが減っている。

 ちなみに、今季5本塁打は、センターから右方向で逆方向は0本。逆方向への安打も15本中2本しかない。

 オープン戦は6本塁打のうち4本を逆方向へ運んだが、これだけ内角を攻められている現状では、逆方向に打ち返すのは難しいのかもしれない。

 ただ、佐藤輝がフルスイングを貫いて内角に対応していけば、相手の配球は必ず変わってくる。そうすれば、また逆方向への豪快な一発が見られるはずだ。駆け引きの中で、どういう成長を見せてくれるのか。今後も楽しみは尽きない。

(データは共同通信デジタル)

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