【佐藤義則氏の眼】阪神・佐藤輝はフォーム改良の必要なし
「オープン戦、ヤクルト6-9阪神」(16日、神宮球場)
今更言う必要もないほど、阪神・佐藤輝に関しては十分な期待感がある。スイングの速さは出色であり、四回の本塁打は左投手の内角高めを捉えたもの。素質十分、といったところだろう。
打率もしっかりと残している。全打席を見たわけではないが、数字を見れば、アウトの内訳として三振が少し多いか。特徴として、打ちに行くときに投手側、つまり右の肩が上がってきて、アッパー気味のスイング軌道となっていることだ。
この日の三回の打席のように、その軌道からヘッドが落ちて出てきた場合に、三振するケースが多いと推測できる。私が投手だとすれば高めの直球でカウントを作って、最後は縦の変化で勝負しよう、ということになるだろう。
ただし、この軌道だからこその飛距離というものもあるだろうから、右肩が上がることを「欠点」と断じる必要はないだろう。一線級の投手が縦の配球を使ってくれば、今は戸惑うこともあるだろうが、慣れればファウルにできる。そうすれば、この特徴はむしろ佐藤輝の強みとして、生きてくる。
まずはこの日のように重圧の少ない6番あたりを打たせれば、プロの球に慣れる時間ができ、さらには大量点も望める打線を組むことができるだろう。