「オープン戦、阪神９－３広島」（１０日、甲子園球場）

　開幕が近づく状況で、どういった形で１点目を取るのかと注目していた中、３点を奪った三回に素晴らしい攻撃を見せてもらった。

　細かく言及すると、無死二塁から四球を選んだ木浪と、続く無死一、二塁から右翼に先制の適時二塁打を放った近本の打席だ。最低でも走者を進めるという意識を持ちながら、自分で何を打って進めるのかという意識の高さが見えた。

　木浪は四球だったが、共に、ただ走者を進めればいいとか、食らい付いて無理やり引っ張る打撃ではなかった。もちろん、バットに当てにいって凡打で走者を進めることもシーズンでは大事だが、走者を進めようとした中で自分の打撃をしたところに価値がある。

　その２人に続き、糸原とマルテの犠飛で２点を追加したことも含め、シーズンを見据えた野球ができている。打線は全体的に好調で、佐藤輝については対応力が素晴らしい。相手からすれば速い球を中心にいかに低めに変化球を集められるかという攻めになるだろうが、試合を重ねながらその都度対応を考えていけばいいだろう。