「オープン戦、ソフトバンク１－３阪神」（６日、ペイペイドーム）

　４番の一撃に阪神・サンズも続いた。左中間へ描いた美しい放物線は、ホームランテラス席に飛び込んでいった。２者連続＆２戦連発アーチに、悠然とダイヤモンドを回った助っ人。“博多の鬼”は「大好きな場所」と満面の笑みを浮かべる。

　四回、大山のソロで先制した直後の第２打席。簡単に２ストライクと追い込まれながらも、際どいボールを見極め、ファウルで粘った。８球目、高橋礼が投じた外角に逃げるスライダーをバットで一閃（いっせん）。軽々と左中間のテラス席に放り込んで見せた。

　来日１年目となった昨年２月２９日のオープン戦では、同球場で２打席連続アーチを含む３打数２安打２打点。前日も左翼席へ豪快な一発をたたき込み、ペイペイドームでは通算９打数５安打４本塁打。「（好調の秘けつは）分からない。理由を見つけないといけないのが分からない（笑）」というほどのパワースポットだ。

　ただ単に相性だけでなく「下手投げの投手から打つのは難しいけど、試行錯誤しながら打席に入っていた」とタイミングの取り方を変えつつ、完璧にアジャストしたサンズ。右翼守備も「問題なく守備に就けていた。求められたらどこでも守れるように準備する」。初の開幕スタメンへ、頼もしい助っ人が大きく前進した。