岡田彰布氏 “習慣”怠っている…ミスが目立つ阪神紅白戦

 「阪神紅白戦、白組7-3紅組」(7日、かりゆしホテルズボールパーク宜野座)

 阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏(63)が、宜野座で行われた阪神の紅白戦を視察。2失策に加え、不安定なプレーが多かった守備面について「ちょっと不安になるよな」と指摘した。昨季、首位・巨人を独走させてしまう要因となったディフェンス面の破綻。改善が進んでない現状が“実戦”であらわになった。

  ◇  ◇

 紅白戦を見ていく中で、やはり気になったのは守備面だ。ここ数年、ミスがらみの失点が勝敗を分けてきた。特に昨季は優勝した巨人との差が顕著に露呈した部分と言えるだろう。

 昨年の巨人(自責点394、防御率3.34)と阪神(自責点393、防御率3.35)の防御率を比較しても差はない。しかし失点は巨人(421失点)と阪神(460失点)で実に39点の開きがある。いかにエラーが失点につながっているかを証明している。

 この反省を踏まえた上で、甲子園を本拠地とするチームが優勝を目指すためには、まずディフェンス面を改善する必要がある。

 しかしゲームを見れば初回、糸原の遊ゴロを処理した小幡がいきなり一塁へワンバウンド送球。ファーストがきれいに処理したことで大事には至らなかったが…以降も内野手のワンバウンド送球が非常に目についた。決して狙って投げたわけではなく、引っかけたり、握れなかったりというもの。これは守備の基本となるキャッチボールがきちんとできていない証拠だ。

 三回も1死一、二塁から大山の三ゴロで併殺を奪えるチャンスがあったが、一塁への“悪送球”で走者を残してしまった。失点にこそつながらなかったが、記録に残らないミス。こういう走者の残した方はゲームの流れを変えやすい。七回には普通にゴロを処理すれば本塁でアウトにできる状況でファンブルし、走者を生還させてしまう場面もあった。取れるアウトを確実に取れないという昨年までの課題は、現段階で解消されていない。

 そしてプレーだけでなく、内野手の動き方も気になった。紅組が4点を追う七回、2死一塁の状況で走者は原口だったが、一塁手はベースから離れて守っていた。現代の野球では4、5点差であれば追うチームはスタートを切ってくる。

 実際に守備位置を見た原口は悠々とスタートを切り、小野寺とランエンドヒットの形になって一、三塁と傷口を広げた。中野の2点三塁打で失点につながっただけでなく、その直前、2死一、三塁という状況では、捕手が投手へ返球する際、二塁手が投手の後方までバックアップすることを怠っていた。

 万が一、捕手が悪送球をしたら…。二遊間2人のカバーがいなければ失点につながる可能性は高くなる。少年野球のころから指導され、本来なら“習慣”になっていなければならない動作-。昨季から評論でも書いてきたが、細かいことの積み重ねができていない、当たり前のことが当たり前にできていないことに不安が生じる。

 紅白戦は自軍同士の戦い。やはり打った、打てなかった、抑えた、抑えられなかったではなく、そういう部分に目が行く。実戦を“練習のための練習”にしてはいけない。緊張感を持ち、あらゆるゲーム展開を想定して動くのが実戦形式だ。まだキャンプは第2クール。これから開幕までに課題の守備面を改善していってほしい。

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