阪神・西勇が激白 なぜ10年間ローテを守れたか…小さな積み重ねが飛躍の原動力

 デイリースポーツ評論家の中田良弘氏(61)が開幕投手大本命の阪神・西勇輝投手(30)を直撃した。プロ入り3年目から先発ローテーションを10年間守ってきた裏にあった秘密とは、トレードマークのマウンドで見せる笑顔の理由とは…。西勇が持つ独特のこだわりを、思う存分に語ってもらった。

  ◇  ◇

 中田良弘氏(以下、中田)「今年で移籍して3年目。『阪神の西』になったね」

 西勇輝投手(以下、西)「いえいえ、まだまだですね。3年目ってまだ短いですし。周りから見たら、ローテーションを守っているから長くいるという感じがするでしょうけど、自分の中では13年の中の3年目なので」

 中田「簡単にローテーションを守ると言ってもなかなかできない」

 西「自分の中では毎日課題を挙げながらとか、早寝早起きだとか、体に気を使う部分だったりとか、そういうのを大事にしながらやっている分、人と違うことが多いのかなと思いますし。昔あるコーチに『苦しいことをやってみろ』と言われて。苦しいことをすることによってマイナスな部分がパワーに変わると聞いたので。自分は早寝早起きが苦手だったので、それをすることによって開けた道があったのかなと。早く起きて練習する、それが苦しかったので、それをずっとできているのがよかったのかなと思います」

 中田「日常の中で野球のことをいろいろ考えているんだ」

 西「毎日のケアだったりもそうですし、キャンプでも4時半に起きて5時から走るというルーティンも守っています」

 中田「4時半に起きているの?」

 西「もう10年続けているんですけど、小さな積み重ねを10年続けてきたことがローテーションを10年続けてこられたのかなと。朝5時に走るという習慣だけではなくて、朝からホテルを出発するまで自分のトレーニングをして、早出で球場に着いてまたトレーニングし、チームのアップに入るということを続けてきたから、ここまでできたのかなと」

鳥谷らに驚き

 中田「他の選手は知っているのかな?」

 西「いや、僕はそういう姿を見せたくなくて。でもビックリしたのが阪神に来て、朝5時ぐらいに室内に行ったら鳥谷さんがいたんです。あと福留さんだったり、岡崎さんだったり、早く起きて練習する人に初めて会いましたよ」

 中田「いい時はいいけど悪い時とかはしんどくなるもの」

 西「そうですね。例えばお酒を飲んだ時とかの次の朝でも時間を決めて、変わらないようにしていました。だから必然的にお酒を長く飲む時間も減りました」

 中田「そういうのができているからマウンドで楽しそうに見えるのかな」

 西「野球自体がそもそも楽しいので。苦しくはないですね」

 中田「西はマウンドでの笑顔が印象的だよね。俺も投手だったけど、そういう表情は出せなかったよ」

 西「練習の方がきついので。別に試合できついと思ったことはないですね。小学校でいえば発表会まで積み重ねたことが、発表会でやっと出せるという感じですね」

 中田「マウンドの笑顔は、早朝4時半に起きて5時からのトレーニングにあるんだね」

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