阪神ドラ1佐藤輝「後悔ないように」1・17の誓いと覚悟「いつ死ぬか分からない」

 打撃練習をする佐藤輝(代表撮影)
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 阪神は17日、阪神・淡路大震災から26年目を迎え、鳴尾浜でフロント職員、選手ら約50人が被災者へ黙とうをささげた。ドラフト1位・佐藤輝明内野手(21)=近大=は、親族が東日本大震災で被災した経験から「いつ死ぬか分からない。後悔がないように」と改めて決意。1年目から優勝に貢献し、被災したファンに勇気と感動を与える覚悟だ。

 午前9時半、阪神・淡路大震災の犠牲者を悼み、佐藤輝は静かに目を閉じて1分間黙とうした。26年前は生前の出来事。それでも小学校から西宮市に移り住み、被災地の人々から「震災の記憶」を伝えられた。「1・17」は特別な日だと強く胸に刻まれている。

 「物心がついた時には、街は元通りというか何ともなかったので、すごく早く復興したんだなというふうには思ってました。学校で(震災の)話を聞いて、すごい大変だったんだなと感じました」

 天災は突然やってくる。そして生活を一変させる。大切な親族に危険が及んだことがあった。父方の祖父母が宮城県村田町で生活しているが、東日本大震災で被災。家屋倒壊や事故などに遭うことはなかったが、伝え聞きショックを受けた。

 東日本大震災以来、佐藤輝は心に決めていることがある。「やっぱりいつどこでそういうことが起こるか分からないので。いつ死ぬか分からないんで、後悔がないようにと思ったりはしますね」。野球に打ち込める日常に感謝し、一日、一日を全力で過ごしている。

 そして被災地にスポーツが与える力も実感している。震災が起こった1995年は当時、神戸を本拠としたオリックスが「がんばろうKOBE」を合言葉にリーグ優勝を果たし、翌年に日本一を達成。復興の象徴となり、当時のイチローと現在の佐藤輝は同じ22歳のシーズン。心の復興へ、兵庫県を本拠地とする阪神の選手としてできることがある。

 「被災して友達だったり、親族だったり亡くされた方もいると思うんですけど、そういう方たちにも感動を与えられるようなプレーができたらいい」

 16年ぶりのリーグ優勝、36年ぶりの日本一へ向かっての挑戦が始まる。佐藤輝は1年目から1軍戦力として戦い、V戦士になることを目標に掲げる。

 現在は新型コロナウイルスが猛威を振るい、先行きの見えない日々が続く。明るい話題として「もちろん優勝して、パレードができたら一番いい」。その瞬間を信じ、ファンの思いも背負って戦っていく。

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