「阪神－巨人」（１０日、甲子園球場）

　今季限りで現役を引退する阪神・藤川球児投手（４０）のラストゲームとなる。午後２時３０分からの全体練習開始前、選手、スタッフら全員がおそろいのＴシャツを着てグラウンドに姿を見せた。

　白地のＴシャツには「２２」の文字をバックに、大きく藤川の投球シーンが写された。金文字で「ＬＥＧＥＮＤＡＲＹ　ＣＬＯＳＥＲ」とプリントされている。練習開始前にライトの定位置付近に全員が集合。藤川の登場曲、ＬＩＮＤＢＥＲＧの「ｅｖｅｒｙ　ｌｉｔｔｌｅ　ｔｈｉｎｇ　ｅｖｅｒｙ　ｐｒｅｃｉｏｕｓ　ｔｈｉｎｇ」が流れ、バックスクリーンには「球児さん２２年間おつかれさまでした」とメッセージが映された。最後に藤川がグラウンドに姿を見せると、梅野が記念のボードをプレゼント。その後、全員の前であいさつし、記念撮影が行われた。

　現役最後のマウンドは、ファンへの恩返しの場になる。名古屋、東京、広島。１０月中旬から遠征に帯同し、敵味方問わず、全国各地のファンに手を振ってきた。最後は甲子園での伝統の一戦。打倒・巨人に燃えた藤川にとって、これ以上ない舞台だ。

　「どうなんですかね。そこまで（変化はない）。自分がどう思うというよりは、見ている方に何かを感じていただけたらと。（涙は）僕は多分ないでしょうね。ファンの方の気持ちを大切にしながら、現役生活を終わりたいと思います」

　当日のチケットは即完売。矢野監督は「それはもう最後で」と、守護神での起用を明言している。球場周辺には開門を前に、背番号２２のユニホームを着たファンが集まるなど、早くも惜別ムードが漂っている。