選手の“盾”となった阪神・揚塩社長 今まで以上に問われる選手の自覚

 阪神の揚塩健治球団社長(60)が9日、今季限りで辞任する意向を固め、兵庫県西宮市内の球団事務所で会見を開いた。新型コロナウイルス感染者が相次いだことなどによる引責辞任で「球界全体にご迷惑をおかけした」と陳謝した。辞任は12月1日付で後任は未定。3月に始まった一連のコロナ騒動は、ついに球団トップの辞任にまで発展した。

  ◇  ◇

 今季はまだ26試合を残し、わずかながらに優勝の可能性も残す。シーズン中の辞任発表は、チームに影響を及ぼすリスクもはらむ。揚塩社長はそれでも発表に踏み切った。

 12月1日付人事まで職務を全うするにも関わらず、なぜこの時期に発表したのか。会見では「混乱の収拾を願ってということが一つ。それからこのタイミングで発表させていただき、選手の一日も早い実戦復帰に対しても、ご理解を賜りたいと考えました」と説明。選手の“盾”となる思いが透けて見えた。

 この日の2軍残留練習には糸原、岩貞ら感染者4選手が合流。9月中旬に内規を破って会食した感染者ら11人は今後、世間の目にさらされることになる。

 揚塩社長は会見で11人にレポート提出を課し、全員との個別面談が終了する10日以降に処分を下すことも明らかにした。さらに自身が責任を取ることで、世間の批判を一身に受け止め、選手を守ろうとした。

 球団は3、9月の2度にわたって、新型コロナウイルスの感染者を出した。その管理体制は問われるべきだ。揚塩社長の責任も重い。ただ、問題の「当事者」は選手であることは変わらない。

 球団は選手の自覚を信じて、遠征先で月1度、条件付きの外食を許可していた。その信頼に背いた行動が、球団トップの辞任にまで発展した事実をどう受け止めるのか。選手は社会人、野球人として、今まで以上に自覚が問われることになる。(デイリースポーツ阪神担当キャップ・西岡 誠)

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