阪神・小幡、プロ初1番で輝いた 矢野監督の期待に応えるマルチ安打

 「広島4-4阪神」(6日、マツダスタジアム)

 踏み荒らされていない打席に初めて立った。阪神・小幡竜平内野手(20)がプロ入り後初の「1番・遊撃」でスタメン出場し、矢野燿大監督(51)の“挑戦”にマルチ安打で応えた。六回に快足を生かした内野安打で同点劇を呼んだハタチの若虎。残り28試合にも希望が膨らむ。

 反撃への突破口を切り開ければ、どんな形でもよかった。きれいなヒットでなくてもいい。プロ初の1番を任された小幡。無念の引き分けに終わったが、切り込み隊長としての役割を全うした。

 「1番だから何かしようというわけでないんですけど、とにかく必死にやっていました」

 試合の流れを引き戻したのは、1点を追う六回だ。先頭で迎えた第3打席。広島先発・九里がカウント2-2から投じた9球目、外角低めのツーシームにバットを合わせた。打球はボテボテのゴロ。だが、快足を飛ばして遊撃への内野安打とした。

 この試合初の先頭打者出塁。北條の犠打で二塁に進むと、3番・近本の打球が一塁・松山の失策を誘って右翼へ抜ける間に、同点の本塁を駆け抜けた。

 再びチャンスメークしたのは、同点の九回1死。広島の守護神・フランスアの初球、真ん中に甘く入った144キロ直球を左前にはじき返した。2日の巨人戦以来となる今季6度目のマルチ安打。得点にこそつながらなかったが、指揮官の抜てきに結果で応えた。

 9月25日のヤクルト戦(神宮)から10試合連続で「8番・遊撃」として起用されていた。だが、矢野監督は「俺の中で挑戦」と成長著しい若虎を1番に登用。井上打撃コーチも「将来的には、というメッセージだね」とリードオフマンとしての起用を決めた。

 ドラフト指名直後から鳥谷(現ロッテ)に憧れ、強いこだわりを示していた場所。「(5日の)甲子園が終わってメンバー表を見たんで。最初は刺されました(身構えた)けど。自分が入った時から『1番・ショート』というのをずっと目標にやってきてたんで。すごいワクワクしていました」と気負うことはなかった。

 守備でも光った。延長十回1死満塁。堂林の高く弾んだ打球をジャンプして捕球し、すぐさま二塁へ送球して封殺。抜ければサヨナラの場面を同点で防いだ。

 まだまだ計り知れない可能性を秘める20歳。「思い切りのよさはもっともっと消さずにやっていきたい」。残り28試合。小幡はただ目の前の1球に全力を注ぐ。

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