阪神 3度の満塁機もわずか1点…今季ワーストタイ13残塁 首位巨人と13・5差
「阪神1-7巨人」(4日、甲子園球場)
阪神は今季ワーストタイ13残塁の拙攻で連敗を喫した。一、三、五回の3度の満塁機も押し出し四球による1得点のみ。4番・サンズ、6番・ボーアの両助っ人のブレーキが響いた。今季最多2万904人の観衆にG倒劇は見せられず、首位とは今季最大13・5ゲーム差に広がった。きょう5日も甲子園での巨人戦。ホームの虎党の前で意地を見せてくれ!
しっかりしてや-。ファンはゲキを飛ばすように、冷たい態度を取った。敗戦後、今季最多2万904人の大半は一気に席を立ち、足早に出口へと向かった。一塁線に整列した選手らへの拍手もまばら。多くの人がグラウンドに見向きもせず、球場を後にした。
期待を裏切られた反動だった。フラストレーションがたまる拙攻を繰り返し、今季ワーストタイの13残塁。矢野監督もさすがに口数が少なかった。
「何か言えることはないけどね。あした頑張るしかないんで」。これまではファンへの思いや、巨人への対抗心を示してきた指揮官も、ダメージを隠しきれなかった。
中盤までは押していたが、3度の満塁機で得点は押し出しの1点のみ。流れをつかみ損ねて、終盤に突き放された。指揮官は「かえしてくれという打順で、かえせないわけやから。苦しいね」。頼みのサンズ、ボーアがブレーキとなった。
初回1死二、三塁はサンズが捕邪飛。2死満塁では、ボーアが外角フォークを打たされて一ゴロに倒れた。
三回無死満塁は大山が押し出し四球を選ぶと、巨人はボーアを迎えた場面で戸郷から左腕・大江にスイッチしてきた。助っ人は見逃し2球で追い込まれると、5球目の完全なボール球のスライダーで空振り三振。ファンのため息の中、天を仰いだ。
ボーアは最近8試合は23打数1安打で打率・043、0本塁打、0打点と深刻な不振に陥っている。サンズは五回無死二塁も空振り三振、七回1死は死球で24打席連続無安打。4割を超えていた得点圏打率は・370まで落ち、リーグトップから陥落した。
九回1死一、二塁で、矢野監督はサンズに代打・高山を起用。七回の打席で左手に死球を受けた影響を考慮しての策だったが、4番への代打にスタンドがどよめくこともなかった。現時点でのファンの“温度”を感じるシーンだった。
首位・巨人とのゲーム差は今季最大の13・5。優勝は厳しいが、「伝統の一戦」でうつむく虎を見たくない。巨人とは残り5試合。ファンは未来へつながる光を待っている。
関連ニュース




