【岡田彰布氏の眼】整合性取れない投手起用 続投してもよかった阪神・秋山

 「阪神1-7巨人」(4日、甲子園球場)

 阪神元監督でデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏(62)は、投手起用においてチグハグさが拭えない部分をチームの問題点として指摘した。ベンチが勝負手を打たないまま、5回2失点で踏ん張っていた秋山を六回から藤浪にスイッチ。前日にガンケルを六回まで引っ張った事実と整合性が取れないなど、多くの疑問が残る試合となった。

  ◇  ◇

 この日は秋山を五回で交代させ、六回から藤浪を投入した。秋山の球数はまだ87球。ボールを見る限り、余力はあったように感じられた。五回裏の攻撃でも最終的に9番まで打順は回らなかった。その状況でのスイッチには疑問が残る。

 まず大前提として、3日の試合ではガンケルを五回の打席に立たせて六回も続投させた。これでは投手起用の整合性が取れない。そしてチームはコロナ禍によってブルペン陣が手薄になっており、13連戦中ということもあって秋山は「少しでも長いイニングを」という気持ちを持って先発マウンドに臨んでいたと思う。その気迫は十分に感じ取れた。

 1点ビハインドの六回から藤浪を投入した要因として、流れを変えたかったのであれば、なぜ五回裏1死満塁から原口、小幡に代打を送らなかったのか。ともに過去2打席の内容を見る限り、タイミングも合っていないし、決定打を放てる確率は低いように感じた。

 勝負をかけて同点、もしくは勝ち越した上で9番まで打順が回り、秋山に代打を送って次の回から藤浪というのは理解できる。逆にベンチが勝負手を打たないまま、藤浪に流れを引き戻す投球を期待するのは酷だ。しかもブルペンの中継映像を見る限り、右腕の準備は間に合っていなかったように見えた。

 ここ数試合、勝ちパターンとして結果を残した投手。1点ビハインドで使い、ましてやイニングをまたがせることで、せっかく得た手応えを失う危険性すらある。準備の仕方も含めて、投手というのは繊細な生き物だ。

 また最終回に横山がブルペンから出てくるのが遅く、3球で球審から投球練習にストップがかかった。六回に藤浪を投入した場面も、グラウンド整備がなければ時間制限に引っかかっていた。ベンチとブルペンの連携も含め、何かチグハグさが拭えない試合だった。

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