阪神・球児が帰ってきた 52日ぶり実戦、最速147キロ1回0封

 「ウエスタン、阪神2-2オリックス」(1日、鳴尾浜球場)

 今季限りでの現役引退を表明している阪神の藤川球児投手(40)が1日、ウエスタン・オリックス戦(鳴尾浜)で実戦復帰した。七回に2番手で登板し、1回1安打無失点。最速147キロで1三振を奪った。右上肢のコンディション不良で8月13日に出場登録抹消。実戦登板は同10日・DeNA戦以来52日ぶりとなった。

 ついに球児が帰ってきた。52日ぶりの実戦登板は無観客の鳴尾浜球場。いつもの登場曲も鳴り響かない。ブルペンから小走りでマウンドへ向かった。1回1安打無失点。「10月に復帰するって約束やったし」と有言実行の再スタートを切った。

 出番は同点の七回。先頭・後藤に146キロ直球を中前へはじき返された。続く稲富は一邪飛に抑えたが、8番・広沢に四球を与えて1死一、二塁のピンチを招いた。それでも9番・根本をフォークで空振り三振。最後は比屋根を144キロ真っすぐで左飛に斬った。

 ゆっくりとベンチへ戻った背番号22。チームメートから拍手で出迎えられた。「自分の状態はそこまで良くない」と話しながらも、表情は明るかった。

 最速は147キロ。「150キロのボールを最後に見せたいね。今日で147キロであれば、無理だろうな」と笑った。それでも「辛うじて狙えるかな」と最後まで自分への挑戦を忘れない。

 右上肢コンディション不良のため8月13日に出場登録抹消。同31日に現役引退を表明した。「僕は僕でもう一発、何とかと思ってます」と話した引退会見。最後の力を振り絞りファームで調整を行っている。

 もちろん目指すのは1軍の舞台だ。2日からは巨人戦。「可能性としては0に近いけれども、呼ばれるようなことがあれば、コンディション別にして精いっぱいやってみたい」と意欲も見せた。

 シーズンは残り33試合。「アドレナリン出して、みんなの前で投げたいなという思いは強く持っていけたら」と“家族”である阪神ファンのために腕を振る。そして必ず“母親”と例えた甲子園球場のマウンドに帰ってくる。

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