阪神・西勇、初の2戦連続完封 巨人ぶった斬りわずか4安打「最後まで全力疾走で」

 「巨人0-11阪神」(17日、東京ドーム)

 11点のリードにも最後まで、気の緩みは見せなかった。初回と同じように丁寧に、細心の注意で打者に向かう。27個目のアウトを奪い、阪神・西勇はようやく表情を緩めた。自身初の2戦連続完封は、球団の日本投手では28年ぶりの快挙。敵地8連敗の不名誉な記録にエースが終止符を打った。

 「流れというのがすごく難しくて。なかなか勝つことができなかったけど、無事に完封できてよかったです」

 目には見えない。だが、球場に漂う重い空気がある。エースは振り払うように腕を振った。2点の援護を受けた初回のマウンド。テンポを重視し、11球で三者凡退に抑えた。二回には打線が3点を追加したが、直後にアクシデントが起きる。

 コンビを組む梅野が、この回から途中交代した。開幕から14試合目の登板。西勇の全球を受けた正捕手交代という不測の事態にも動じない。「普段から坂本とはコミュニケーションを取れていた」と、4番・丸から始まる中軸を3人で料理。以降も危なげない投球で、二塁すら踏ませぬ107球だった。

 「一つでも多く勝つためには、目の前の一戦一戦を、大事にしていくしかない」。移籍2年目。藤川の引退会見を見て、伝統の重みを肌で感じた。宿敵・巨人に挑んだ先輩たちの系譜。思いをつなぐ役割が使命だと受け止める。先人への敬意を体現し、後人に夢を届ける戦いでもあった。

 「子どもたちも必死のプレーを見てくれている。最後まで全力疾走で頑張りたいです」

 7点リードの九回、1死二、三塁。三振OKの打席でフルスイングし、三ゴロで一塁に全力疾走。悪送球を誘い、8点目を奪った。自力優勝の可能性は消滅。厳しい戦いが続く中、エースは誓う。「まだ次がある」。消化試合にするには早い。粉骨砕身に生きた藤川のように、前だけを向いて巨人の背中を追う。

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