阪神・藤浪、全力プレーで虎党の胸打った 2年ぶり10K!気迫115球で自責1

 「ヤクルト6-0阪神」(30日、神宮球場)

 670日ぶりの勝利はつかめなかった。だが、右腕の鬼気迫る115球に見る者はハートをガッチリつかまれた。阪神・藤浪晋太郎投手(26)は7回8安打4失点(自責1)で自身2連敗となったが、失敗を恐れない腕の振りで毎回の2桁10三振。次は勝てる。次こそ、勝たせる-。

 ベンチに戻った藤浪は、北條の元に向かった。優しく肩をたたくと、悔やむ同期に声を掛ける。ミスに泣き、無援に泣いた115球。7回を自責点1の投球も、4失点で痛恨の2敗目。670日ぶりの勝利はならず、チームも連敗を喫した。

 「やっぱり…ああいう場面で粘れてこそだと思う。結果として負けているので。気持ちいい投球ではない」

 無念さをかみ殺したのは、1点差で迎えた七回の投球だ。打ち取った打球を遊撃・北條がファンブル。先頭の出塁を許すと犠打で1死二塁。続く西田の二遊間で高く弾んだ打球も、北條が処理をもたついた(記録は内野安打)。フーッと息を吐き、藤浪は気合を入れ直した。助けたかった。

 1死一、三塁。ここで高橋を空振り三振に斬ったが、続く坂口との対戦だった。2球目、はじき返された打球が、ワンバウンドで藤浪の右肘付近を強襲。ホーム方向に転々とする白球を追い、転がり込みながら一塁に送球する。決死のプレーも内野安打で痛恨の2点目。さらに悲運は続いた。

 打球を受けた衝撃で、右肘に力が入らない。治療を経て、それでも続投を志願。なおも2死一、三塁のピンチで、上田を遊飛に抑えた…かに見えた。だが、このフライを北條と近本が交錯する形で落球(記録は北條の失策)。一気に2者が生還し、3点を失った。

 「ミスが出た時こそ、抑えてだと思う。ああいうところでカバーできたら」。自責の言葉を繰り返す。序盤、制球の定まらなかった藤浪に、何度も声を掛けたのが北條だ。絆があり、信頼がある。2度の打席では一塁に全力疾走。勝利を求めた全力プレーは、確かに見る者の胸に響いた。

 直球を狙い打たれた前回の反省から登板間で変化球を修正。村上を2三振に斬るなど、18年4月20日・巨人戦以来の10奪三振だ。右肘も「大丈夫です」と次戦に支障はない。見る者の期待を希望に変え、自らは自信を確信に変えた2試合。次回は中5日で8月5日の巨人戦(甲子園)登板が有力。676日ぶりの1勝が、藤浪復活の合図になる。

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