【藤田平氏の眼】日本野球に慣れてきた阪神・ボーア&サンズの満塁弾
「ヤクルト5-20阪神」(28日、神宮球場)
阪神の両外国人が満塁本塁打と、大勝を象徴するような活躍を見せた。
新外国人2人に共通するのは、各球団と対戦を済ませたことで日本の野球に対する慣れを感じさせることだ。
まずボーアだが、カウント3-1からの低め直球をうまくすくい上げて右翼席へもっていった。もともと低めは強い打者だが、慣れという面に着目すると、球場の“狭さ”に対する慣れも大きいと感じる。
つまり、無理なフルスイングをしなくても十分、スタンドに届く。それを体で理解できたから、振りに行けばファウルになりそうなボールを右翼席へ運ぶことができた。
一方のサンズは、韓国で打点王を獲得した能力を打席で見せられる段階に来た。
読みのうまさがあると見ていたが、日本球界で、バッテリーが選択しそうな球を読めるまでに“慣れ”て来た。カウント2-2からの直球にバットのヘッドをぶつけた一発には、読み勝ちの雰囲気があった。