阪神・近本、虎党ありがとう弾 先頭打者弾返し!「声援が打球を後押ししてくれた」

 「阪神3-2DeNA」(10日、甲子園球場)

 虎党の生の声援を力に変えた。阪神・近本光司外野手(25)が1点ビハインドの一回裏、中越えに2号同点ソロを放った。DeNA・梶谷の先頭打者本塁打で1点を先制されたが“先頭打者弾返し”で打線に弾みを付けた。この回、打者9人攻撃による一挙3得点で逆転に成功。雨中の激戦を制し、今季初の4連勝を飾った。5位・広島とは0・5ゲーム差。この勢いできょうにも最下位脱出や!

 鮮やかな“先頭弾返し”だ。大貫が投じた内角低めに沈むスプリットを近本が強振する。歓声が沸き起こる中、打球はバックスクリーン右へ飛び込む今季2号同点弾。スタンドの虎党は思わず立ち上がり、メガホンを目いっぱい叩きながら喜びを爆発させた。

 打った瞬間はスタンドインを確信できなかったという近本。「三塁まで行く意識で走っていましたが、入ってくれて良かった。声援が打球を後押ししてくれたと思います」と待ちに待ったファンの思いが先頭弾の一助となったことを強調した。

 試合開始直後に梶谷の先頭弾で先制された。その裏の阪神の攻撃だ。応援団の生演奏ではなくスピーカーから流れる聞き慣れたヒッティングマーチ、そしてメガホンの音が響く中、近本が打席へ。2球で2ストライクに追い込まれながら、変化球を迷うことなく振り抜いた。

 「拍手や歓声でとてもいい緊張感がありました。今日来てくれたファンの方々に来て良かったと思ってもらえるようなプレーができて良かった」。ベンチに戻ると、ボーアのファイアボールに対抗してか?右手の親指と人さし指を伸ばす“ピストルポーズ”で仲間の祝福に応えた。

 1年前も『雨の甲子園』だった。初出場となったオールスター。豪雨の中で行われた7月13日の2戦目だ。あの日も史上初となるルーキー先頭弾を皮切りに、5打数5安打をマークして史上2人目となる球宴でのサイクルヒットを記録。全国にその名を知らしめた。

 その夏には第1子となる長女が誕生。コロナ禍による休止期間中には一緒に過ごす時間が増え、「娘が大きくなって、記憶として残るまでは続けたい」と1年でも長くプロ野球選手として活躍するという思いを強くした。

 同じ兵庫県内のほっともっと神戸の巨人-ヤクルト戦は雨天中止に。こちらは五回裏無死降雨コールド、泥だらけになりながら1点差で勝ち切った。試合後は矢野監督、コーチ、選手がベンチから出て整列。雨が降りしきる中、スタンドのファンへ頭を下げて感謝の思いを伝えた。

 4連勝で最大8まで膨らんだ借金も4まで減り、11日にも最下位を脱出する。観客の声援も力に変え、明らかに上昇気流に乗った矢野阪神。公約する『日本一』に向けての逆襲が始まった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス