阪神外国人列伝 09年はメジャー89発メンチ加入もシーズン途中でブラゼル獲得

 阪神は2020年、球団史上最多となる外国人選手8人体制でV奪回に挑む。球団創設85周年のメモリアルイヤー。かつてタテジマのユニホームに袖を通した助っ人を年度別で振り返る。真弓明信監督1年目の2009年はメンチが新加入し、シーズン途中にブラゼルが加わった。

 メンチはメジャー通算89本塁打を誇り、年俸1億6500万円。そり上げた頭は威圧感たっぷりだ。入団時は「自分は攻撃的なプレースタイルを持った選手だと思う。積極的に振っていく打者だし、グラウンドに出れば泥んこになるようなタイプかな」と語り、関西弁での「メンチ(にらみつける)」の意味を知ると、「へえ、日本語ではそういう意味なんだね。ドイツ語では『いい人』という意味だと聞いたよ」と即座に反応。「じゃあ内角攻めを受けたらユニホームの背中のメンチって名前を指させばいいのかな」と笑った。

 4月3日・ヤクルトとの開幕戦は「6番・右翼」でスタメン出場したが4打数無安打。その後も調子が上がらず、体調不良を訴え、22日に出場選手登録を抹消された。ファームで結果を残して再昇格したが、5月に2度目の2軍降格。出場15試合、打率・148、0本塁打、2打点で戦力構想から外れた。

 チームはシーズン途中にブラゼルを獲得。5月下旬、会見に臨んだ助っ人は「チームにエネルギーを吹き込み、伝統ある阪神を爆発させるきっかけになりたい」と意気込んだ。前年に西武で27本塁打を放つも、打率・234で解雇され、新天地での活躍に燃えていた。

 ブラゼルは6月5日・オリックスとの交流戦で初出場し、いきなり金子から移籍初本塁打を放った。6月16日・日本ハム戦ではジョンソン以来10年ぶりの助っ人4試合連続本塁打、8月26日の横浜戦ではカークランド以来の1イニング2本塁打と活躍した。10年には47本塁打でバース以来24年ぶりに40号の大台を突破。12年は不振を極め解雇となったが、メンチの代役からチームに大きく貢献した。

 帰国時は「残念だなと思う。シーズン13試合残している中で帰ることになるとは思っていなかった」と悔しさをにじませつつ「本当にすばらしいチームメートに巡り合えて感謝している。タイガースファンはスポーツの中でも一番だ」とファンへの感謝を口にした。日本でのプレーを希望し、13~14年はロッテでプレーした。

 2009年のチームは前年2位から4位に転落した。

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